投稿者「ToshihiroAnzai」のアーカイブ

「蝕」 ~のない未来を考える

接地回路(なにもない世界でパンを作る)

素材、道具、道具を作る道具、すべて接地記号(地球環境から取得できる)につながっていなければならない。

絶滅後にワープしたあなたは、あたかもビーバーが壊れたダムを補修するように、脳の中にある絶滅前の像を再生しようとする。しかし、未来はそんなふうに過去を模倣しようとはしない。あるものの未来を考えるためには、あるものがない未来を考えるのが有効だ。メガネを作ることを考える前に、メガネのない未来を構想できる。パンを作るのではなくパンのない世界を考える。明るすぎる像をマスクすると、見えなかった周辺が見える。これを日蝕になぞらえ「蝕」と呼ぶ。

[ ]のない未来を考える思考パターン

  • [ ]が[ ]とは呼べないなにかに変化する
  • [ ]を代替する新概念が現われる
  • [ ]を必要としない人類に変化する

蝕の例

[服飾]のない未来を考える思考パターン

  • [服飾]が[服飾]とは呼べないなにかに変化する
  • [服飾]を代替する新概念が現われる
  • [服飾]を必要としない人類に変化する

絶滅(われわれのいない未来)をイメージする

[人類]のない未来を考える思考パターン

  • [人類]が[人類]とは呼べないなにかに変化する
  • [人類]を代替する新概念が現われる
  • [人類]を必要としない人類に変化する

この同語反復は何を意味するか

 

触覚的自我 ムサビ2019全作品

武蔵野美術大学基礎デザイン学科 2019年9月20日

・正面の写真だけで伝わらない部分は、角度や光線を変えた撮影で補いました。
・解説文や名前の表示などに変更があれば申し出てください。

(撮影順)


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3020卒業制作展仕様書

「3020年、国分寺遺跡群から出土した遺物の数々は、電子情報記録媒体とともに完全消失した21世紀情報暗黒時代を知る大きな手がかりを提供してくれます。とりわけMAU遺跡で発見された「卒業制作」という文字の書かれた金属コンテナには意図も用途もわからない数々のオブジェクトが収納されており、歴史家たちの想像力を魅了しつづけています。本展はそうしたオブジェクトのいくつかを展示し、どのような生活と文化を背景に制作されたかを考察するものです」

という口上ではじまる千年後の展覧会を作るワークショップです。

2020年から2120年に作られた卒業制作作品と、作品の背景を考察する解説文を、前回と同じ要領でRememe Wiki に記述してください。千年後の人類、あるいは人類に替わる何者かは、かならずしも正しい考察するとは限りません。

WiKiの項目名:
作品の名前

作品:
作品の写真、画像(など)
2019年の時点ですでに発表された(他人に著作権のある)画像は使用不可。

概要:
200文字以内の短いテキスト

考察:
用途、機能、など

解説者:
あなたの本名、もしくは学籍番号(後日ペンネームに書き換えてもかまいません)

RememeWikiの書き方、グループの作り方は前回と同じ。以下を参照してください。

RememeWiki:ムサビ2019実施マニュアル

ただし、カテゴリーは以下の文字列をコピペしてください。

[[カテゴリ:MAU3020卒制展作品]]

参考:絶滅に関するいくつかのイメージ

アイ・アム・レジェンド

ロベールによるルーブル美術館グランド・ギャラリーのデザイン画

画家、ユベール・ロベール(Hubert Robert 1733-1808)は、王宮の庭園設計やルイ16世の絵画の管理、ルーヴル美術館設立計画などにもたずさわった。

ロベールが描いた未来のルーブル美術館

パンのリブート

[ ]のない未来を考える思考パターン

  • [ ]が[ ]とは呼べないなにかに変化する
  • [ ]を代替する新概念が現われる
  • [ ]を必要としない人類に変化する

蝕の例

[服飾]のない未来を考える思考パターン

  • [服飾]が[服飾]とは呼べないなにかに変化する
  • [服飾]を代替する新概念が現われる
  • [服飾]を必要としない人類に変化する

絶滅をイメージする

われわれのいない未来を思う

[人類]のない未来を考える思考パターン

  • [人類]が[人類]とは呼べないなにかに変化する
  • [人類]を代替する新概念が現われる
  • [人類]を必要としない人類に変化する

用途のわからない出土品

「銅鐸」
意図も用途も理解できない者に向けて制作する

ワペラ遺伝子集(MAU2019)

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ネイト 絶望

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ペルセポネー 明度の迷路

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0020213142435364657586879798
長谷川康博

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0111262393324445755667078889
ヘカトンケイレス 巨人の踊り

005-1116066433333333788998990000

1116066433333333788998990000
マヘス 焦燥

006-5289405353237390164324214581

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クロノス つらら

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オーケアノス 小さい星

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3444523454335453545343425354
枯葉 静

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1191182299956651579167988949
マアト 崩落

010-0120117117012017117012011711

0120117117012017117012011711
アポローン アリコ

011-1232212322123221232212322123

1232212322123221232212322123
アメン 雨後の壁

012-0221022102210221022102210221

0221022102210221022102210221
ケプル 始まり

013-1123444155616771855588816772

1123444155616771855588816772
タルタロス 地

014-3330002233203030323032033022

3330002233203030323032033022
テミス インベーダー

015-0999000222220210910992921911

0999000222220210910992921911
セルケト ミューラーブロックマン

016-2019927070925017069791706979

2019927070925017069791706979
ネクベト 機織り

017-0100000158333006999600333209

0100000158333006999600333209
ディオニューソス 奇跡

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0011123444551112224445551122
ヘルメース 6ちゃん

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バステト 光と陰

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0990010203040506070809100990
ネオイロス 蔓

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5556443444454364756566634565
セト 禍々しい森

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1431914319143191431914319143
ハピ MOTH

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7474838392019387565484884848
セクメト 戦闘

024-0010020030040050060070080090

0010020030040050060070080090
ガイア 秩序

025-6756453423129089786756453423

6756453423129089786756453423
アテン スウェットの裏

026-0111262333744245085667987859

0111262333744245085667987859
ヌン 蔦

027-2886886822226886226668626862

2886886822226886226668626862
タウエレト 重なりと歪み

028-3655022722002223253656776265

3655022722002223253656776265
ハーデース 漁船の朝霧

029-3344455566677788899900011111

3344455566677788899900011111
モンチュ 固そうな布の網目

030-0001119992228883337766644455

0001119992228883337766644455
デーメーテール 侵食

031-9100409901828908802815529898

9100409901828908802815529898
ゲブ 所々伐採された山

032-0112823344045535626176788999

0112823344045535626176788999
カオス 書類

033-0112023134245356467578689798

0112023134245356467578689798
アフロディーテ zebra

034-8728356162966555837939599889

8728356162966555837939599889
ニュクス 根

035-1398909945699399259719249999

1398909945699399259719249999
アトゥム アン

036-2223777717976000077800009000

2223777717976000077800009000
ケプル 終わり

037-5121911921512991951191292259

5121911921512991951191292259
へーパイストス 二極化

038-9907802031050100453060700000

9907802031050100453060700000
アルテミス 沐浴

039-0718040708090213041809179999

0718040708090213041809179999
ゼウス 既視感

040-0014411177161111999993999999

0014411177161111999993999999
アヌビス 黒々

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0501199705011997050119970501
ヘーラー 滾る

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0930093009300930093009300930
エーオース ぶわぶわ

044-1112011331109991199900000000

1112011331109991199900000000
イムホテプ 草

045-1991118291991616301992281199

1991118291991616301992281199
ヘスティアー 闇に滴る…

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0211394523354486257767688901
ソプデト 地下

047-1997012619970126199701261997

1997012619970126199701261997
へーメラー 肉

048-9009011079022712209010210179

9009011079022712209010210179
コンス ダイヤのネックスレス

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0233445845515256666475778910
オルフェウス 鱗

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0000220750000001018007000200
サイクロプス

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0949700080999080995719070988
パーン ビスマス

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0120230340450560670780890910
ディオーネー ✕3=0

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ヌト 天使の国

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5556667778889990001112223334
バラテト 光と陰

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0404013073200065020500006107
オシリス 整列

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ヒュペリーオーン レース生地

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4070111222339445566567878389
ヒュプノス 怒り

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1997102112291021299710211997
大浪有貴

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7432743274327432743274327432
大浪有貴

バーチャル彼女

吉田隆平
福島遼太
佐原祐斗

「おまたせ」
慎司がそういうと
「三十分の遅刻なんですけど。いっつも遅れてくるよね〜」
彼女はそう返した。今日は横浜に最近できた火星での暮らしを疑似体験できるテーマパークでデートをする予定だ。
「お腹すいてない?なんか食べに行こうか」
「私はパスタが食べたいな」
ランチをとった後予定通りテーマパークに行きディナーを済ませた。
「この後どうしようか…」
「私はまだ帰りたくないな…」
「じゃ、じゃあホテルにでも……」

バーチャル世界とはいいものだ誰にも邪魔されないし、自分の思った通りに世の中が動く。まさに自分だけの第ニの世界…。

二一××年。世界はAIで溢れ人間と人工知能とが共存する世の中に。
「おーい!慎司。今から授業か?」
こいつは同じ大学に通う恭平だ。
「あ、いや。学務課に奨学金の資料をもらいに行こうと思って」
「おぉそうか。それよりさ今日、大園女子大の子たちと合コンするけどお前もどう?」
「いや、僕はやめとくわ」
「なんだよ。つれねーな。オッケー。じゃあ、またな」
「うん。また」
僕はどこにでもいるごく普通の大学生。人前ではひどく緊張してしまう。だから友達も数えるほどしかいない。授業に出て、バイトに行き、家に帰る。そんな毎日の繰り返しだ。
今日もバイトを終え家に帰ってきた。唯一の日課といえば家に帰ってきてから二三時台のニュースを見ることだ。
「僕の人生ホント冴えないな。せめて彼女でもいたらもっと華やかになるのかな…」
そんなことをつぶやきながら今日もまたテレビをつける。
「続いてのニュースです。長年議論が続いていたICチップ法案が本日可決されました。それでは細田首相の会見をご覧ください。『えー、日本国民の皆さんは頭の中にICチップを埋め込んでいただきます。これには様々な意図があり』…」

「ICチップ法案かー。これで何か変わるかな」

「おはよう!」
「あ、おはよう」
「いや、聞いてくれよ!昨日の合コンにいた子がめっちゃ巨乳でさその子ヒナコちゃんって言うんだけどもう男性陣ビンビンよ」
「そうなんだ」
「でもその子彼氏持ちだったんだよ。彼氏いるのに合コン来んなって話よな。今度はお前も来いよな」
「うん。行くよ」
「あ、そういえばさニュース見た?ICチップ法案可決だってな。俺らどうなるんだろうな。俺、来週埋め込み日なんだ。お前は?」
「僕は明後日」
「お、早いな。感想とか聞かせてくれよ」
「分かったよ」

二日後、僕はICチップを頭に埋め込んだ。
「イテっ…」

三ヶ月後。全ての日本人へのICチップの埋め込みが終了し人々もそれに慣れ始めていた。

「おう、慎司!チップの調子はどうよ」
「別に普通だよ」
「でも楽になったよな。スマホもいらないし、YouTubeも頭の中で再生できるし」
「割と便利だよね」
「そういえば知ってるか?チップの新機能としてバーチャル世界ってのが追加されるらしいぜ」
「知らない。何それ」
「俺もあんまり詳しくは知らないんだけど、なんか自分の頭の中で作り出した世界で実際に生活ができるようになるらしいぜ」
「ふーん」
「つまりだ、自分が好き勝手にできる世界ってわけ。なんかすごくね」
「あんまり興味ないな」
「なんだよー。その世界で彼女とか作ってさ、こんなクソつまらん現実世界では味わえない快感を楽しもうぜ!」

自分だけの世界で彼女か、悪くないかも。

「いよいよ今日から<自分だけのバーチャル世界を創ろう>略して<バチャつく>が解禁されるな。もうわくわくが止まらないぜ」
「そうだね」
「慎司はどんなバーチャル世界を創るんだ?」
「僕はまだ何も考えてないや」
「なんだよ。ま、お前のことだ、バーチャルでも現実とそんなに変わらない世界を創ってそうだな」
「ははは」
《アナウンス》 「それではみなさんお待たせしました。
「お!いよいよだな」
《アナウンス》 「バチャつくの解禁です」
「よし。俺は早速バーチャルの中に入るからな。慎司もせいぜい楽しめよ!」
恭平はバーチャル世界に入っていった。
「僕もちょっとだけ試してみようかな」
バチャつくヲ起動シます。
グォーン…ピピ
想像力ヲ働かせテください。
「想像力を働かせるって言ったって…えい」
設定ガ完了しまシた。それでワバチャつくヲ始めます。

「慎司、起きろよ」
「ん…恭平か」
あれ、何も変わってないぞ。バーチャル世界に入れなかったのかな。
「僕バーチャル世界には入れなかったみたい」
「なんだよ。お前機械音痴だっけ?まあいいや。昼飯食べに行こうぜ」
「そうだね」

「学食にも飽きてきたよなー」
「安いしいいんじゃない。僕ここのカレー結構好きだよ」
「お前いつもそれ食べてるよな」
《アナウンス》 「バチャつくに重大なバグが見つかりました。現在使用している方は直ちに使用を中止してください。繰り返しますバチャつくに…」
「重大なバグだって。みんな大丈夫かな」
「怖いな。俺、すぐやめといてよかったわ」
バチャつくでバグが起こったようだ。実際、バーチャル世界に入れなかった僕としては関係のないことであった。
《アナウンス》 「頭痛や吐き気、何か少しでも違和感を感じた方は直ぐに病院に行ってください。深刻な脳へのダメージを受ける可能性があります。繰り返します…」
「慎司、お前大丈夫か」
「大丈夫だよ」
「そうか。俺は怖いから一応病院に行ってみるわ。お前もおかしいと思ったらすぐに行けよ」
「分かったよ」
それから数日が経った。あのアナウンス以降、新たな情報は伝えられていない。だが、死者も負傷者も出なかったようである。バチャつくの使用はいったん禁止とされ、バグの修正や安全性の確保などを再び考え直しているようだ。

それからバチャつくは禁止とされ世の中はなにもなかったようにいつも通りに動き出した。
「慎司、きょう合コンやるけど来る?」
「んー、行こうかな」
「おし!決まりな!一九時に渋谷のDEHOって居酒屋に集合で」

「かんぱ~い!!!」
「じゃあ女の子たちから自己紹介お願いしてもいいかな」
「はい。ミキって言います。大園女子大学の三年生です。よろしくお願いします」
「ヒナコです。私も同じで大園女子大学に通う三年生です。ちょっと緊張してます。よろしくお願いします」
「マヒロで~す」
「慎司、お前どの子がタイプ?」
「えー」
「俺は断然ミキちゃんだな」
「僕は…ヒナコちゃんかな…」
「お前巨乳好きか。いいじゃん、いいじゃん。アシストするぜ」
僕は彼女に惹かれていた。キラキラした目。それでいてどこか懐かしさを感じる表情。僕は彼女に惚れた。
「ヒナコちゃん動物園好きなの。こいつ動物めっちゃ詳しいよ。な!慎司」
「え、う、うん」
僕は咄嗟に嘘をついていた。
「えー。本当!」
「本当、本当」
「今度二人で動物園に行ってきなよ」
「僕でよければ一緒に行きましょう」
「えー、行く行く!」
こうして僕はヒナコちゃんとデートをすることとなった。

今日はヒナコちゃんと初デート。あの日は勢いで動物に詳しいとか言っちゃったんだよな。けどあれから動物についていろいろ調べたし、今はなかなか手に入りにくい動物図鑑とかいう紙の分厚い奴も買ったしきっと大丈夫だ。落ち着け、僕。
「おまたせ~。ごめんね、遅くなっちゃって」
「大丈夫だよ。僕も今着いたところ」
「そっか。よかった」
「うん。じゃあ行こうか」
その後僕たちは色々な動物を見て回った。
「ここの動物園では今ではあんまり見ることのできないカバを見ることができるんだって」
「そうなんだ!私、初めて見る!」
「あ、あれがカバの檻だよ」
「すご~い!おっきいね!」
「そうだね。カバは昔、世界最強の生き物って言われてたんだよ」
「そうなんだ!」
「うん。でも、密漁とかで数が減っちゃって今では世界に数頭しかいなくなっちゃったんだ」
「悲しいね。私たち人間の利益のために殺されるんだもんね。カバさんごめんなさい」
なんていい子なんだろうか。僕はどんどん好きになっていた。

それから僕らは何回かデートを重ねた。そんな数回目のデート。
「すっかり暗くなっちゃたね。慎司くん今日は買い物付き合ってくれてありがとね」
「いいよ」
「いっぱい歩いたらおなかすいちゃった」
「今日はレストランを予約しておいたからそこに行こう」
「え、本当!楽しみだな」

「いらっしゃいませ」
「二人で予約した佐野です」
「ありがとうございます。佐野様お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
僕たちは窓際の席に座った。
「こちらお飲み物のメニューになります」
「ありがとうございます」
「お食事のメニューはコースとなっております」
「わかりました」
「お飲み物は何になさいましょうか」
「おすすめの赤ワインでお願いします」
「かしこまりました。失礼いたします」
そう言うと男性店員は下がっていった。
「素敵なお店だね。夜景もすごいきれいだし!」
「ここのレストラン四三階にあるから東京の街が一望できるんだよ」
今日のためにいろいろ調べて予約したイタリアンレストランだ。
「お待たせいたしました。こちらイタリアのAbruzzo地方から取り寄せた八〇年もののワインとなります」
ワインを注いでもらう。
「失礼いたしました」

「それじゃあ。乾杯」
「乾杯」
チン

「あ~美味しかった」
「気に入ってもらえてよかったよ」
「こんな素敵なところに連れてきてくれてありがとね」
「うん…」
「…」
「あの、話があるんだけどさ…」
「なに」
「僕。その、なんて言うか…。その…」
「うん」
「ヒナコちゃんのことが好きなんだ。付き合ってくれないかな…」
「…うん。いいよ」
「本当⁉よかった~」
「改めてよろしくね。慎司くん!」
こうして僕はヒナコちゃんと付き合うことになった。

「お前ヒナコちゃんと付き合うことになったんだってな」
「そうなんだ。これもこれも恭平のおかげだよ。ありがとね」
「いいってことよ。うまくやれよ」
「うん」
「なんか彼女できてからお前ちょっと明るくなったよな」
「そうかな。まあ、充実はしてるよ」
「なんだよ。惚気か。うらやましいな。この野郎」
「ちょっと、やめてよ」
「俺も彼女欲しいな」
「恭平ならすぐできるでしょ」
「励ましてるつもりか」
「違うよ。本心で言ってるんだよ」
「ま、頑張るわ。また話聞かせろよ。じゃあ、またな!」
「うん。また」

それから三か月の月日が流れた。ヒナコとも順調で、周りからも明るくなったと言われる。ここのところ何もかもがうまく行っている気がしてとても充実した日々を過ごすことができている。つい半年前までの生活が別の世界での出来事のようだ。
ただ一つだけ気がかりなことがある。それは頭に埋め込んだICチップに少し違和感を感じることだ。
「最近ICチップが変なんだよね」
「一回病院に行って調べてもらった方がいいんじゃないの」
「うーん。でもな…」
「私もついていくから病院行こ」
「そうだね」
こうして病院に行くことになった。
「本日はどうされましたか」
「なんか、ICチップに違和感があって」
「そうですか。それでは順番が来るまでそちらでお待ちください」
「はい」

「佐野さ~ん。佐野慎司さ~ん」
「はい」
「こちらへどうぞ」

「違和感はいつごろから」
「一か月前くらいからですかね」
「そうですか。ICチップは脳に関わりますからね。少しでもおかしいなと思ったら早めに来てくださいね」
「はい。すみません」
「一度、検査をしてみましょう」
そして僕は精密検査をされることとなった。
「んー。特に異常は見られませんね。今回は大丈夫でしょう。一応、電波を和らげる薬を出しておきますのでそちらを二週間飲んでください」
「はい。ありがとうございます」

「良かったね。なんでもなくて」
「うん。ちょっと考えすぎだったみたいだね」
「話は変わるけど、新しく横浜にできた火星のテーマパーク行こうよ」
「いいね。行こうか。僕もちょっとあそこ気になってたし」
「約束ね」
「うん」

そして一週間後。
「おまたせ」
「三十分の遅刻なんですけど。いっつも遅れてくるよね~」
「ごめん。ごめん」
「もう…」
「お腹すいてない?なんか食べに行こうか」
「私はパスタが食べたいな」
「じゃあパスタ食べに行こう」
「慎司のおごりね」
「わかったよ。そういうところはちゃっかりしてるんだから」
「なんか言った?」
「ううん。なんでもない。行こ」
ランチを済ませた僕たちは、その後予定通り火星のテーマパークを楽しんだ。
「いや~、火星ってあんな感じなんだね。私はびっくりしちゃった」
「結構、地球みたいな感じなんだね」
「火星の料理も食べれたし、満足満足」
「そうだね。この後どうしようか…」
「私はまだ帰りたくないな…」
「じゃあ、ホテルにでも……」

ピーーーーーーーー

「慎司…」
「しんじ~。あぁぁぁぁぁぁ」
両親の泣き叫ぶ声が病室に響いた。
慎司の親御さんから連絡を受けた俺はすぐに病院に駆け付けた。
「あぁ恭平君」
「お母さん。あの、慎司は?」
「…」
俺が駆け付けた頃には慎司は既に霊安室に運ばれていた。
「慎司…。おい、慎司」
「…」
「なんでだよ…。死ぬなよ。何であのとき…バチャつくのバグの警告があったとき…戻ってこなかったんだよ…」
「…」
「お前はどんな世界に入ってたんだよ…こっちの世界よりもそんなに楽しい世界だったのかよ…なあ、答えろよ。慎司…」
「…」

「慎司くんのこと残念だったね」
「あぁ。俺まだ受け入れらんねぇよ…」
「恭平は慎司くんと仲良しだったもんね」
「なあヒナコ。俺これからどうしたらいいんだよ…」
「葬儀明日だっけ。最後は笑顔で送り出してあげなよ」
「そうだな…。ヒナコ今から会えるか」
「うん。いいよ」
「お前が彼女で本当よかった。ありがとう」
「ううん」

「恭平、おい恭平」
「ん…。あれ慎司か…。お前なんで死んだんじゃなかったのか」
「恭平、大丈夫か。最近バーチャル世界に入り込み過ぎなんじゃないのか」
「え…」
「ほら、早くしないと学食の席なくなるから。行くよ」
「お、おう…」
この世界では人間と人工知能が共存している。そして頭にはICチップを埋め込む時代だ。そのICチップにより自分だけのバーチャル世界にいける。そう自分だけの第二の世界に…。

『続いてのニュースをお伝えします。新たに二人の死亡が確認されました。死亡したのは佐野慎司さん二一歳と林田恭平さん二一歳の二人で、二人は先日大学内でバチャつくをプレイしていたところ脳内にダメージを受け、脳死の状態が続いていましたが、今朝、死亡が確認されました。これでバチャつくによる死亡者は…』
「ヒナコ、ご飯よ~」
「は~い」

ブツン

(東京経済大学コミュニケーション学部「可能人類学2019」「22世紀恋愛論ワークショップ」課題作品より)

触覚的自我 自治医大2019全作品(テーマ別分類)

自治医科大学の講座「臨床と哲学」にて行われた触覚的自我ワークショップの全作品(122作品)を、講評時の話題に沿って分類したものです。

実施日:2019/1/24・1/31・2/14
講義:武内大・安斎利洋
ワークショップ:安斎利洋・中村理恵子・金 知垠
協力:淺田義和

気になる部分

014



114



116


108

触覚的身体空間

003



113



103



009


067


109



110


手足

066


106

全身

023


080


115


管・空洞・穴

007



015


020



112



104

対称性

019


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073


122

横顔・断面

085


100


117


119

017


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035


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055


063

凹凸

006



013


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061

031


033


062


076


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089

耳・音

036

081

笑い

016


026


045


072


079


087

012



096

境界・輪郭

047


069


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093


099


102


105

ちぎり絵

022


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039


054


065


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眼鏡

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前髪が気になる

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107

髪全体が気になる

034


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111


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ミニマルな表現

021


024


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特徴的な目

002



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目のある顔

001


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091


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目のない顔

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目を閉じた顔

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触覚的自我 自治医大2019 全作品

自治医科大学の講座「臨床と哲学」にて行われた触覚的自我ワークショップの全作品(122作品・撮影順)。

実施日:2019/1/24・1/31・2/14
講義:武内大
講義・ワークショップ:安斎利洋
ワークショップ運営:中村理恵子・金 知垠
協力:淺田義和


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VRなんて絵空事

作者

シナリオ:伊藤匠(TKU)
表紙:甘味屋みりん(MAU)


2107年には出会い系サイトの進化版、出会い系VR空間『sora(ソラ)』が存在する。そこではユーザー自身のアバターを作り、他人と実際に会うまでにVR空間上で出会え、疑似恋愛ができる。さらに、愛の感情を持ったAIキャラクターも存在し、AIとsora登録者が恋愛を楽しむこともある。
このsoraの管理者は天草空で、soraは空の理想を形にしたAIキャラクターの山下蓮華との疑似恋愛をするために作った空間を商業化したものである。
ある時、sora上のAIキャラ達がシステムのエラーにより他のAIキャラにも恋をするようになってしまった。そして、AIキャラ三浦海斗が恋をした相手は蓮華だった。本来AIはsora利用者としか恋愛をせず、AI同士の恋愛はプログラムされていない。空はシステムを書き換えたが、海斗だけは蓮華を好きなままでいた。VR上のAIに恋をする青年の恋の行方とは。

登場人物

天草 空(あまくさ そら 25歳)出会い系VR空間「sora」開発者。AIの蓮華が彼女

山下 蓮華(やました れんか 20歳)空の理想を具現化したAI

三浦 海斗(みうら かいと 20歳)空がsoraに加えるキャラとして開発したAI。

山崎 舞奈(やまざきまいな 17歳)高校時代の空の初恋の相手

橋本 里奈(はしもとりな 25歳)読んでからわかる

soraの社員達 清水・新井・小松崎・柳田

soraのユーザー達とAI達

VRなんて絵空事

○VR空間sora

sora内のユーザー達、VR上で交流している。

ユーザー1 「初めまして、名前はなんて言うんですか?」

AI 1 「私はAIのアイカです。よろしくおねがいします!」

ユーザー1 「僕ここ初めてなんですけどどういうことができるんですか?」

AI 1 「まぁここは40年前にあった出会い系サイトのVRバージョンだと思って下さい。ユーザーさん同士で実際に出会う前に疑似恋愛をすることもできますし、私たちAIとの恋愛をすることもできますよ。」

ナンパもVRを通してリアルのように行われる。

ユーザー2 「大人の関係持ちませんか〜?」

ユーザー3 「いや、そういうのは望んでないんで、他当たってください」

ユーザー2 「も~、冷たいなぁ~」

ナレーション「sora、ここは天草空によって作られた出会い系VR空間。ユーザーは自身のアバターを通して実際に会っているかのように、様々な人やAIと交流ができる。もともとは空が高校時代に作った理想の女性AI山下蓮華との疑似恋愛を楽しむために作ったVR空間だが、親に反対され仕方なく商業化し、家にお金を入れることで許されたものである。」

○空の自室(夜)

空、帰宅してスーツを着替えsoraを起動する。

空 「(スーツのネクタイを荒々しくほどき捨てながら)はぁ〜、何が遺伝子の相性でお見合い結婚だよ、馬鹿げてる。自分が本当に好きな人と結婚したほうがいいに決まってんだろ。AIだとしても…」

AIスピーカーアレクサ 「おかえりなさい空さん。どうかしましたか」

空 「いや、かぁさんがAIに恋する俺にあきれて、お見合いさせやがってさ。」

アレクサ 「まぁ時代が変わったとはいえ、まだ認知されていない部分もありますからね。」

空 「ついに日本も少子化で狂ったな。わり、また蓮華に会ってくるわ」

アレクサ 「あ、作業の邪魔してすみません。いってらっしゃいませ。」

空 「ありがと、アレクサ」

○sora内、空の部屋

空、AIの蓮華に愚痴をこぼす。そして新AIキャラの構想について話す。

空 「蓮華~、今帰ったよ。お待たせ」

蓮華 「遅いんだけど、何してたの?」

空 「昨日言ったろ?あれだよ、遺伝子の相性でお見合いさせるやつ、馬鹿げてるよな~」

蓮華 「あー、現実世界はたいへんね。でも私以外に好意向けたら許さないから」

空 「わかってるよ。あるわけないだろ、俺の理想形だぞ。」

蓮華 「そうだよね、私を作ったのは空だもんね」

空 「あ、そうだ。今soraに加える新しいAIキャラをモデリングしててさ、これなんだけど。」

蓮華 「おぉ~!かっこいいじゃん。私的に顔だけ見たらこの人空よりかっこいいよ」

空 「おい」

蓮華 「ごめんごめん。名前は何ていうの?」

空 「三浦海斗でいいかな~って考えてる。まぁほぼ確だな。」

蓮華 「空ってセンスあるよね。このキャラ顔もかっこいいし名前も良さげじゃん。これは女性ユーザーの課金増えるわ。やっぱ世界ではじめて出会い系VR空間を作っただけはあるよね。」

空 「まぁな。だってこうやって稼いでないと親に色々言われるからな。」

○sora内、VR社内会議室(昼)

soraを運営する会社の会議。それぞれの自宅からsoraにアクセスしてVR空間上の円卓で会議をしている。

新井 「今日は来月のアップデートで加えるキャラについてなんですが。」

柳田 「あぁ、もうほとんど完成段階に入ってますよ。あとは恋愛の感情だけプログラムすればってかんじですね。」

新井 「わかりました。完成したら天草社長に報告をお願いします。」

柳田 「了解です。」

清水 「じゃあ今回のアップデートで追加するキャラは6人ですかね。」

小松崎 「いや、さっき社長から新作がもう少しで完成するって聞いたんでたぶん7人ですかね。」

柳田 「おっ、それは期待できますね〜」

清水 「soraの人気キャラランキング1位、2位は社長のキャラですからね」

○sora内、空の自宅前(昼)

蓮華は空を訪ねてきた

蓮華 「空〜、いないの〜?」

そう言いながらしきりに呼びかけるが空はいなかった。

蓮華 「なーんだ、つまんないの」

○soraの有名スポットsoraタワー前公園

ここは人気のデートスポットで、カップルがたくさんいる。

蓮華 「あー、やっぱ一人で来てもつまらないな〜」

手を後ろに組みながら石ころを蹴っ飛ばして歩く

コツン 蓮華の蹴った石が前にいた柄の悪い男に当たった

蓮華 「あっ、ごめんなさいっ」

咄嗟に両手を胸の前で組み、祈るように謝った。

ユーザー4 「おい姉ちゃん、石当てたなぁ? どうすんだよこれ、靴に傷ついたじゃねえか。」

ほとんど見えもしない傷について怒り始める男

蓮華 「すいません。私の不注意でした、許してください。」

ユーザー4 「そりゃそうだわな、でもな、この靴にいくら課金したと思ってんの?」

男は顔を近づけながなメンチをきかせた

⁇ 「やめろよ。」

不意に蓮華の後ろから歩いて来た見知らぬ男が仲裁に入った。

ユーザー4 「誰だてめぇ、言っとくけど悪いのはこいつだからな?」

⁇ 「本人も悪気がないみたいだし、謝ってるじゃないか」

ユーザー4 「うるせえな、お前には関係ないだろうが。」

⁇ 「いいのか? soraの規約違反で退会させられるぞ。」

ユーザー4 「チッ」

男は舌打ちをすると、そこから去っていった。

蓮華 「どなたか存じませんが助かりました。ありが…」

蓮華ご御礼を伝えようとしたちょうどその時、仲裁に入った男が振り返った。

蓮華 「あー!三浦〜、誰だっけ?」

海斗 「AIの三浦海斗です。なんで名前を?」

蓮華 「私、実はあなたを作った天草空と付き合ってて、あなたのことを彼から聞いてたの。」

海斗 「そういうことか。ていうか、君も、石蹴っ飛ばして人に当てるなんて。」

蓮華 「そうだよね、反省してます」

そう言いながら蓮華は笑った。

○ある日のカフェ(夜)

社員の清水が空に慌てた様子で電話をかけて来た。

清水 「もっもしもし、し、社長、大変です。」

空 「どうしたそんなに慌てて。」

清水 「いや、あの、昨日からsoraのAIたちがなんかのエラーでユーザーたちだけじゃなくてAIにも恋愛感情を持ち始めてるんですよ。」

空 「おいまじかよ。」

空は右手で髪をぐしゃっと掴んだ。

清水 「おそらく、このあいだのアプデ以降のことだと思います。」

空 「わかった、今すぐ確認してくる。」

そういってハンズフリーイヤホンを切った。

○sora(夜)

ユーザーたちはAI同士で好意を持ち合うシステムエラーに混乱していた。

ユーザー5 「おい!実咲!俺のことが好きだったんじゃなかったのかよ!?」

AI 実咲 「ごめんね、なんかあなたよりもいい人見つけたの。」

実咲はAI 陸斗と腕を組んでいた。

陸斗 「悪いな、俺の方がよかったみたいだぜ?」

ユーザー5 「どうなってんだ、AI同士は恋愛に発展しないんじゃなかったのかよ!!!」

全てのAIがAIに恋をしているわけではなかったが、このような混乱は各地で起きていた。

ユーザー6 「どうしてこうなったんだ。運営は何やってんだ。」

ユーザー7 「話が違うじゃない!」

ユーザー8 「こんなクソ出会い系VRなんてやめてやる。」

AIの恋人に裏切られたユーザーの一部はこの状況に耐えきれず自ら退会していった。

○空の自室(夜中)

空はカフェから急いで帰宅し、パソコンに向かいシステムの改善を急いだ。

空 「くそ!なんでこうなった。キャラを追加しただけで他はいじってないだろ…」

目を見開きながら必死にキーボードを叩いた。

空 「やばい、ユーザーが少し減ってる。そりゃそうだよな、AIと恋が出来る出会い系って言ってんのにAI同士でイチャイチャされちゃユーザーもこっちも不利益被ってたまんないわ。」

空の部屋には夜通しパソコンをいじる音だけが響いた。

○sora内、VR会議室(朝)

空は社員を集め、今回のエラーの件について話し始めた。

空 「みんな申し訳ない。だがなんとかシステムは持ち直した。」

清水 「ユーザーの退会は一応最小限で食い止められましたね。」

空 「ああ、エラーがまだ夜中で助かったな。」

柳田 「すいません!自分がキャラをアプデする段階で何かいじっていたかもしれません。以後気をつけますので。」

急に立ち上がった柳田は深く頭を下げた。

空 「いや、キャラの更新でこうなることはまずないだろうし、お前の能力は俺がよく知ってる。そんなヘマをするやつじゃない。」

柳田 「社長…」

空 「新井、今回の件に関する謝罪と、ユーザーに無償でのアイテム配布を急いでくれ。」

新井 「承知しました。」

空 「可能性としては外部のやつの仕業もありえるな。」

○sora(昼)

システムの改善により、またいつものsoraが戻って来た。

ユーザー5 「昨日は焦ったぜほんとに。マジで見捨てられたのかと思ったわ。」

男は満面の笑みで昨日のことを語った。

AI 実咲 「ごめんね、本当に。でも私もなんでこうなったのか。」

ユーザー5 「ただのシステムのエラーだろ? 気にすんなって。」

○sora内、空の自宅(夕方)

昨日徹夜してシステム改善を行った空は完全に疲れ切っていた。

空 「あーーー。ほんとに疲れたな。」

キャスター付きのデスクチェアの寄りかかって空を眺めていた。

空 「てか、この一件のせいでしばらく蓮華に会ってなかったな。またいつもの公園にいるだろ、会いに行くか。」

空は空間上に浮いたボタンを一押しし、外出用の服に一瞬で着替えた。

○soraタワー前公園(夕方)

蓮華はいつものように公園のベンチに座っていたが隣には海斗がいた。

海斗 「空さんから連絡ないの?」

蓮華 「そうなの、まぁあの件があったからね。大変だったんだよ。」

海斗 「そっか。」

別にこの話には興味がないかのように返事をした。

蓮華 「どうしたの?」

海斗 「あ、いや。俺なんだ。」

蓮華 「ん?」

蓮華は海斗の顔をぽかんとした顔で見つめた。

海斗 「実は、今回のエラーを起こしたのは俺なんだ。」

蓮華 「えっ?何言ってんの?!」

蓮華は訝しげな様子で苦笑いした。

蓮華 「嘘でしょ?」

海斗 「いや、俺がやったのは本当だ。」

海斗は俯いた。

海斗「実はな、空さんが俺を作った段階で、間違えて他のAIに恋愛感情を抱く設定にしてたんだ。」

そういって海斗は蓮華の手をそっと握って呟いた。

海斗 「一目惚れだったんだ。」

蓮華 「え?」

海斗 「俺、仲裁に入ったあの日から蓮華のことが好きなんだ。だけど、蓮華にはAIを好きになる感情がインプットされてないから、自分でやるしかなかったんだ。」

蓮華 「だからってこのsora全体を巻き込まなくても。」

海斗 「そうでもしないと空さんの目は欺けないだろ。」

蓮華 「でもどうやって…」

海斗 「俺らはAIというデータだ。システムデータに侵入することはいくらでも出来る。」

蓮華 「そうだったんだ。」

海斗 「てかいまそんなことはどうだっていいんだ。俺は蓮華の気持ちが知りたいんだ。」

蓮華 「それは…」

蓮華は気まずそうに俯いた。

海斗 「今、他のAIはシステムを直されてるけど、蓮華のだけは書き換えられないようにしてあったからAIに恋が出来るはずなんだ。」

蓮華 「でも…」

しばらくの間二人の間に沈黙が流れた。そこから口火を切ったのは蓮華だった。

蓮華 「正直言うとね、私も海斗が好きだよ。空から完成前に見せてもらった時から気になってた。でも、私は空が空のために作ったからAIだから…」

海斗 「そんなの関係ない!!! AIだって誰を好きになってもいいだろ!」

一瞬熱くなった海斗は自分を落ち着かせるように言った。

海斗 「俺はそう思うんだ。」

○ soraタワー前公園に向かう夜道

空は、いつも蓮華がいるはずのsoraタワー前公園に向かっていた。

空 「(それにしても、あのエラーは何だったんだ。セキュリティーは万全だったはずだし、まさか内部の…いや、考えすぎか?)」

ヒューっと肌寒い風が吹いた。空は少し嫌な予感がしていた。

空 「なんだか今夜は肌寒いな。」

○ soraタワー前公園入口(夜)

男 「飲む?」

女 「ちょっともらうね!」

空はちょうど公園入口の自販機のあかりに照らされたカップルのそばを通り過ぎた。

プシュッ。炭酸飲料が入ったペットボトルが開く音に反応して空はちらっとそのカップルを見た。

男 「じゃあ、行こっか」

女 「そうだね」

空は聞き覚えのある声に耳を疑った。

空 「ちょっとまて、蓮華か?」

空は勢いよく振り返ってそう聞いた。

蓮華 「え、空??」

暗さに慣れた空の目に映ったのは、蓮華とその手を握る海斗の姿だった。

空 「お、おい…………なんで、二人が手をつないで一緒にいるんだ。」

わけがわからなくなった空は一瞬言葉を失った。

蓮華 「ち、違うの」

空 「違くないだろ、どういうつもりだよ。」

蓮華 「これは、その…」

空 「納得がいかないだろ!説明し…」

海斗が遮るようにこう言った。

海斗 「蓮華はもう空さんのものじゃないですよ」

空 「いや、だからどういうことかわかんねぇよ」

海斗 「だから、僕たちは両想いなんですよ。」

空 「そんなわけ…」

空は何かに気づき一瞬動きが止まった。

空 「ちょっとまて、二人ともAIだよな…?」

海斗 「やっと気づきましたか。バレるのもたぶん時間の問題なのでもう言っちゃいますけど、大変だったんですよほんと」

空はごくりと唾をのんだ。

空 「…もしかして、海斗なのか、あのエラーを起こしたのは。」

海斗 「そうですよ。外側からは強固なセキュリティーでも内側からは脆弱ですね。」

空 「くそ。そういうことだったのか。」

空 「蓮華…」

空は蓮華にそっと目を向けたが、蓮華は俯いていた。

空 「そうか。」

空はそうつぶやくと、二人に背を向けて走っていった。

蓮華 「空!」

蓮華は叫んだが空は振り返ることはなかった。

○空の自室のベッド(夜中)

空は度重なる悪状況のせいでVRの世界から逃げるように現実に戻ってきた。

空 「なんか疲れたな。まさかAIに足元すくわれるとは思いもしなかった。」

空はさっと布団を顔までかけた。

○空の自室(朝)

朝礼に出ない社長を心配したsoraの社員から電話がかかってきた。
プルルルル。部屋中に鳴り響く着信音。

空 「うぅ、ん、もう朝か。いや、電話か。」

空はアラームと勘違いした着信音に起こされ、そのまま電話に出た。

清水 「社長!何時だと思ってるんですか。もう朝礼の時間ですよ。早くログインしてください。」

空 「そうか。悪い、今行く。」

目が半開きのままsoraにログインした

○sora内、会議室

空は30分遅刻で朝礼に参加した。

空 「悪い、遅れた。おはよう」

清水 「おはようございます」

新井 「社長が遅刻なんて珍しいんじゃないですか?」

小松崎 「言われてみればそうですね。どうしたんですか?」

空 「これは会社の運営にかかわることだから言っとかないとな。」

清水 「え、そんなに深刻なことがあったんですか?」

空 「端的に言うと、こないだ追加したAIの三浦海斗が暴走した。ついでに蓮華も盗られた」

柳田 「どういうことですか?!」

空 「先日のエラーを起こしたのは三浦海斗だった。昨日本人に会った時にあいつの口から直接聞いた。しかも蓮華とできていた。」

新井 「えーと、急展開過ぎてますますわけがわからないですね」

新井は苦笑いしながら困ったようにしていたが、空は動じずに淡々としゃべり続けた。

空 「これは単純に俺のミスだが、おそらく海斗を作るときにAIに恋をできる設定で誤ってプログラミングしていたんだ。そのままキャラとして追加されたあいつは蓮華と出会い恋をした。でも蓮華は…」

清水 「もう大体わかりましたよ。それ以上は言わなくて大丈夫です。」

明らかに普段と様子が違う空を気遣うように話を折った。

柳田 「じゃあ海斗のプログラムを書き換えれば良いんですよね」

空 「いや、おそらく無理だ。」

新井 「だって、作ったのは社長ですよね。てことは、プロ…」

清水が新井の話を割ってしゃべり始めた

清水 「今回のやつは社長の最新作で今までのモデルと比較してもスペックがかなり高い。学習能力もそこらの奴とは一味も二味も違うだろう。」

空 「あぁ、soraだけじゃなく蓮華のセキュリティーロックも書き換えられてた。これだと直接手が加えられない上にこのsora自体をリカバリーしない限りあいつを止めることは不可能だな。」

新井 「初期化するってことですか??でもそんなことしたら。」

空 「そうだな、海斗を消去できるが確実に蓮華も消える。」

新井 「そんな…もしそんなことしたら本末転倒じゃないですか。」

空 「これは俺の理想から始まったことだ、しかし商業化してしまった今、そんなことしたら利用者が黙っていないし、お前たちを路頭に迷ませることになる。だからそんなことは絶対にできない。」

柳田 「じゃあどうするんですか。」

空 「プログラムを動かせない今、直接海斗に交渉するしか方法がない。このままあいつにsoraを乗っ取られたままだと運営にかかわる。それに…」

空は、そこで言葉を詰まらせた。

清水 「社長?」

空 「もういいんだ、この一件で目が覚めた。いい大人が現実から目を背けてAIに恋するなんてさ。」

清水 「僕はAIと付き合ったり結婚する人がいても悪いとは思わないですよ!」

空 「そうだな。でも俺は逃げてたんだ。」

空は過去を思い出すように天井を見上げた。

〇空の通っていた高校の教室(過去・回想)

空は高校二年生当時、同じクラスだった山崎舞奈に恋をしていた。ある時、友人を通して舞奈が空を好きだという噂を聞いた。

空 「ごめんね、いきなり呼び出して。」

舞奈 「いいよ。でも部活あるから早めにしてね。話って?」

空 「じゃあストレートに言うね。」

それは空にとって誰かに向けた初めての気持ちと言葉だった。

空 「好きです。付き合ってください。」

窓から吹き込んだ風にあおられ壁の時計が落ちるのと同時に返事は返された。

舞奈 「ごめん(ガシャン)」

空は物音と受け止められない返事に混乱し、つい聞き直した。

空 「え…?」

舞奈 「いや、彼氏いるしごめんねって…」

時間が止まった。あれ、おかしいな。そう思いながらも

空 「そっか。わかった。」

とだけ言い教室をあとにした。

これは一週間後にわかった話だが、空は嘘の噂に騙され、はめられたのだ。しかもそのことが学年中に知れ渡り、あれやこれやとありもしない噂が広がった。

〇sora内、会議室

空は自分がVRにのめりこんだ経緯を話した。

空 「それから転校した。俺は周りの奴らを信じられなくなった。人に恋をするのが怖くなった。だって、人は裏切るから。」

柳田 「……。」

空 「その時俺は思ったんだ。VRでAIと恋をすればすべて思い通りだと。そこから一年、ひたすら勉強して蓮華を制作した。友達もほとんど作らずにな。」

椅子から立ち上がり外を眺めた。

空 「そしてここまでのものを俺は作り上げたんだ。けどVRでさえこのザマだよ。結局世の中絶対なんてないんだ。ただの絵空事に過ぎなかったんだよ。」

重い空気に社員は誰も喋ろうとはしなかった。いや、話す言葉が見つからなかった。

空 「あー、ごめん!お前たちは気にしないでくれ。これから海斗に俺が蓮華をあきらめる代わりにsoraを元に戻してもらえるように頼んでくる。」

柳田 「いいんですか。本当にそれで。」

空は数秒経ってから一言こう言った。

空 「いいんだ。」

〇海斗の部屋(昼)

海斗は蓮華とともに部屋でテレビを見ていた。

「三浦海斗!」

外から誰かの声に呼ばれた。海斗は玄関を開けた。

海斗 「何しに来たんですか」

空 「大事な話がある」

海斗 「蓮華なら返しませんよ」

海斗は少し眉間にしわを作りながら言った

空 「あぁ。わかってる。それを踏まえて聞いてほしいことがある。」

蓮華が廊下の奥から二人の様子を見ていた。

海斗 「なんですか」

空 「soraを俺たちが管理していた元の状態に戻してほしい。」

海斗 「嫌ですよ、だってそんなことしたらまたあんたが…」

空は準備していたかのように食い気味に話し始めた

空 「ちゃんと条件がある。」

海斗 「条件?」

空 「俺はやろうと思えばsoraをリカバリーすることだってできる。そしたらお前も蓮華も消えてなくなる。」

海斗は唇を噛んだ。

空 「だが、俺は蓮華を消したいわけじゃない。お願いだ、一日だけ蓮華と過ごさせてくれ。それで蓮華をあきらめる。その代わりにsoraの管理権を会社側に返してくれ。そしたら俺は会社から出ていくし、もう二度とお前たちに干渉しない。」

海斗 「嫌だって言ったら?」

海斗は空の様子を窺うように聞いたが、空は堂々としていた。

空 「その時は容赦なくsoraを消す。」

海斗はしばらく考えた

海斗 「…わかりました。明日の正午までに戻ってきてください。それでいいですか。」

空 「ありがとう」

海斗は手招きで蓮華を呼んだ

空 「蓮華、ごめんな」

空のその一言には様々な気持ちが込められていた。

二人はそのまま並んで歩いて行った。

〇sora内、空の部屋(夜)

空は思い出作りとして、蓮華を連れて様々なところに行き、最後は一番多くの時間を過ごした部屋で過ごすことにした。

空 「蓮華はもう俺の事好きじゃないんだよな。」

蓮華 「それがね、不思議な気持ちなの。今は海斗の事が好きなはずなんだけど、空を好きだった気持ちはちゃんと残ってるの。」

空 「そっか」

空は複雑な気持ちでいっぱいだった。蓮華も自分の気持ちがわからなくなっていた。

蓮華 「空。ありがとね。」

空 「え?」

蓮華 「だって、空がいなかったらこうやって私という存在がいなかったわけだし、今まで過ごした楽しかった日々もなかったんだよ!」

蓮華はとびっきりの笑顔で笑っていたが、目からは涙が流れていた。

蓮華 「あれ、涙が止まらないや。もう、この気持ちよくわかんないよ。」

空 「俺も涙が出てきちゃった。」

蓮華 「へへ」

二人はお互いの泣いてる顔を笑顔で見つめあっていた。

空 「でも、俺の涙はVR上では再現されたアバターの映像でしかないんだよな…あぁ、同じ次元で出会いたかったって思うよ。本当に。」

そうつぶやくと空は蓮華の頬に優しくキスをした。しかし、そのキスは形だけで感触はない。

空 「やっぱ、触れられないんだよな。」

蓮華 「そうだね。それでも私はずっと楽しかったよ!ありがとう。空。」

空 「うん。俺、蓮華のこと絶対忘れないから。」

蓮華 「当たり前でしょ!忘れたら許さないからね。」

それから二人は尽きることのない7年間の思い出話をひたすらに語り合った。

〇海斗の部屋の前(正午)

空は約束通りの時間に蓮華を連れて海斗の部屋の前に来た。

空 「もう後悔はない。」

海斗 「そうですか。なら良かったです。管理権はしっかり返しておきましたのでご心配なく。」

空 「そうか。ありがとう。」

そして空は海斗の目をまっすぐ見て言った。

空 「蓮華を泣かせたら許さないからな。」

海斗 「はい。」

刹那の沈黙の後、空は吹っ切れたように表情を変え、蓮華に向かって右手を突き出しピースをした。

空 「元気でな。蓮華」

蓮華 「うん。空もね」

蓮華も最高の笑顔とピースサインで返した。

〇港区六本木交差点(昼間)

空が事業から退いてから半年ほど経っていた。家賃を払い続ける余裕はあったが仕事のあてもなくただぼーっとする毎日が続いていた。

空N 「(貯金はあるけどそろそろ働かないとまた親に怒られるな。)」

そんなことを考えながら青になった信号を渡り始めた。

(ドンッ)

空は反対から歩いてきた男性とぶつかってしまった。

空 「あ、すいません。」

男 「いえ、こちらこそ。すい..あれ、社長?」

空がぶつかったのはかつての部下清水だった。

清水 「天草社長じゃないですか!お元気でしたか?」

空 「ん?清水か?!」

信号は既に点滅していた。

空 「ひとまず歩道まで行こう」

二人は歩道で話し始めた。

清水 「まさかこんなところで偶然会うとは思いませんでした。」

空 「そうだな。元気だったか?」

清水 「はい、勿論元気でしたよ!そんなことより社長に会ったら伝えたかったことがあるんですよ」

空 「社長呼びはもうやめろって」

否定していたがどことなく嬉しそうだった

清水 「いいじゃないですか~、他の呼び方なんてないですし」

空 「まぁいい。それでなんだ?伝えたいことって」

清水 「あ、はい。えっと、今はお仕事されていますか?」

空 「してないな。」

清水 「じゃあちょうどよかったです。アライドアーキテクツはご存知ですよね?」

空 「あぁ。マーケティングとかやってる老舗IT企業だろ、それがどうしたんだ?」

清水 「最近私の友人が社長になったんですが、空さんのプログラミング力を筆頭としたIT技術に惚れこんでいて是非うちで働いてほしいって言ってるんですよ。」

しばらく二人は路上で話し込み、結果的に空はアライドアーキテクツに身を置くことにした。

〇アライドアーキテクツ社内

清水にばったり会ってから二週間後。空の出勤初日。空はWebソリューションチームに配属されていた。

板倉 「初めまして空さん。私がWebソリューションチームプロジェクトマネージャーの板倉大河です。」

空 「天草空です。よろしくお願いします。」

空はプロジェクトマネージャーとあいさつしたのち、自分のデスクでプロジェクトに目を通していた。

⁇ 「初めまして、あなたが新しく入った方?」

話しかけてきたのはデスクが隣の女性だった。

空 「天草空です。よろしくお願いします。」

橋本 「なんか固いぞ新人!私は橋本里奈ね。25だから同い年だよね、よろしくね」

空 「あ、うん、同い年ですね」

少し照れくさそうに答えた。なぜなら橋本は現実で久々に見る空の理想の女性だったのだ。

橋本 「敬語じゃなくていいって、同い年なんだから!」

空 「そうだな、そうする!」

空は笑顔で答えた。

その笑顔は過去のしがらみを忘れ、現実への希望で満ち溢れた表情をしていた。

(完)

22世紀恋愛論へ

22世紀恋愛論

TKU-MAU リレーワークショップ『22世紀恋愛論』から生まれた作品を、テーマを軸に配置した。

共通課題
恋愛(とかつて呼ばれていたもの)の22世紀を構想し、作品を制作する。

WS1
東京経済大学(TKU)コミュニケーション学部「可能人類学」2018年6月
課題:作品形態はシナリオ。シナリオの書き方は各自調べる。

WS2
武蔵野美術大学(MAU)基礎デザイン学科「オートポイエーシス論」2018年10月
課題:作品形態は自由。ただし(現在の)メールで送れること。3分以内に鑑賞可能であること。

テーマ

  1. 個体
  2. 美容整形
  3. 絵・空
  4. 潜行
  5. 仕事
  6. 恋愛復興
  7. 幸福の発明
  8. 臓器
  9. 運命
  10. 暗黒の21世紀
  11. 国家
  12. 隕石
  13. シニフィアン

☆印:それぞれのWSで行われたコンペで入賞した作品

シンボルマーク:U.AKUTSU 心臓から脳へ

個体

スープ

小学校の先生による22世紀末の地球の人間の恋愛についての解説

拡大

ノルウェー(MAU)☆

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双隻高校恋愛殺人事件

双隻高校恋愛殺人事件に関する RememeWiki項目


新聞記事 PDF

堀内麻由, 平野妙子, モギ明結(MAU)☆

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肖像画



Daichi KAWASHIMA(MAU)

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美容整形

maclay

世界最大級の化粧品会社マクレスが開発した最新鋭の化粧品「maclay」(メイクレイ)。「maclay」の名前はmakeとclayを合わせた造語である。皮膚の細胞を摘出し、その細胞を培養したもので作る特殊な粘土型化粧品。その粘土は顔や身体に貼り付けることができ、自分の好きな容姿に変えることができる。この「maclay」が巻き起こす恋愛作。


「maclay」 シナリオ

森田英暉(TKU)☆

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宇宙整形販促ポスター

宇宙人が人類と恋愛をするための美容整形のポスター。
宇宙人が人間に寄せる手術なので、文字はすべて宇宙公用語。(数字は人類と宇宙人共通)

AK, シヴァ(MAU)

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ラブリメント

Miki SAWAZAKI(MAU)

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絵・空

「VRなんて絵空事」の表紙

東京経済大学22世紀恋愛論ワークショップ作品「VRなんて絵空事』(伊藤匠)を文庫本化すると想定してその表紙を描いた。

甘味屋みりん(MAU)

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VRなんて絵空事

2107年には出会い系サイトの進化版、出会い系VR空間『sora(ソラ)』が存在する。そこではユーザー自身のアバターを作り、他人と実際に会うまでにVR空間上で出会え、疑似恋愛ができる。さらに、愛の感情を持ったAIキャラクターも存在し、AIとsora登録者が恋愛を楽しむこともある。このsoraの管理者は天草空で、soraは空の理想を形にしたAIキャラクターの山下蓮華との疑似恋愛をするために作った空間を商業化したものである。ある時、sora上のAIキャラ達がシステムのエラーにより他のAIキャラにも恋をするようになってしまった。そして、AIキャラ三浦海斗が恋をした相手は蓮華だった。本来AIはsora利用者としか恋愛をせず、AI同士の恋愛はプログラムされていない。空はシステムを書き換えたが、海斗だけは蓮華を好きなままでいた。VR上でAIと人間がAIを奪い合う22世紀の恋愛の行方とは。
(海斗・蓮華・空シリーズ)

「VRなんて絵空事」 シナリオ

伊藤匠(TKU)☆

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疑似恋愛IC

22世紀、かつて「恋愛」と呼ばれていたものは第四次産業と化す。政府が疑似恋愛体験サービスを開発し、商品として提供することになった。
消費者は恋愛をするとことで得られるドキドキや興奮、癒しなどの精神的な状態が内臓されたICカードを自動販売機で購入し、そのカードを脳内に埋め込まれたICチップにスキャンすることによって、特定の対象がいなくても、恋愛的な体験を“手軽に”、“無駄なく”体験することができる。いわゆる、特定の相手がいなくても恋愛することが可能だし、時間の無駄もない。
例えば、「長澤雅美みたいな美人とのディズニーランド」とか「枯れ専大満足特集」とか販売されている精神状態は数千種類を超える。不特定多数の人とデートできるのみならず、精神的な負担もかかりません。
いつでも、どこでも、君のニーズを満たせる!

KOU, AKI(MAU)

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恋愛のある風景

22世紀。異性、ヒトではないものに恋愛感情を抱くこともごく一般的になり、男女モデルを立てた作品への共感が得られにくくなる。

人々は風景に脳内でそれぞれ思い思いの相手と自分を置き、感情移入するようになった。

鈴木ひなの, 立石美礼(MAU)

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潜行

ナルフィリア(自思自愛)

れめめwiki「ナルフィリア」の項へ

22世紀、セクシュアル・マイノリティーが社会的に定着し性のあり方が多様化した時代。自身を性的対象とする「自思自愛」の性を持つ人たちやその概念について解説。

映画『ナルフィリア narphilia』ポスター

22世紀になって認められた新しい恋愛概念である自思自愛、通称ナルフィリアを題材にした初の映画。少女は自身の性との葛藤を乗り越え、新しい愛の形を表現するのであった…。(2175年公開)

石井潮音, 荻田夏子, 小澤育実, 笹原早希子(MAU)

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-箱-22世紀の狂愛

男女の恋愛における思考は100年足らずではそうそう変わるものでは無いと仮定する。究極の自己犠牲でもあるのが恋愛だとすれば、常に相手のことを思って、2人だけの世界を分かち合いたいと願うはずだ。
この心理に陥った恋人は22世紀の世界でどのような運命を辿るのか、白い箱と一組の男女で想定した。この箱に入るのは絶対に2人でなければいけない。2人以上になった時でないと抜け出すことは出来ない。これはある意味、愛と言うよりは狂気かもしれない。

-箱-22世紀の狂愛 14ページ

塩屋椒(MAU)

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仕事

職業『恋人』

医学の進歩により子孫を残すことが容易になった未来…人類にとって恋愛はエンターテイメントになっていた。そんな二十二世紀で大人気となった職業、それが…
『恋人』である!
次の三遍は形は違えど、そんな恋人を目指す若き才能たちの序章である。彼らが出会う日もそう遠くはないだろう…


4コマ漫画3点

LOVE・プロレスラー(MAU)

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FAKE HEAVEN

人々は労働から解放され、何もせずとも必要なものが用意される時代。
AIによって作られる幸せの中で、恋愛も『創られる』ようになる。



FAKE HEAVEN(PDF)

Ariue(MAU)

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恋愛復興

22世紀創世記

人類は少子高齢化の危機を脱するため、人工受精を試みた。月日が経ち人工的な人類増加は成功し、その後も対策は続けられた。いつしか人間自らが交配する必要が無くなったため、恋愛・結婚をする人間が減少。「恋愛は娯楽」と捉えられる時代も過ぎ、やがて恋愛自体に共感を得る人間が居なくなり、恋愛という娯楽も消え去った。

そして22世紀。地上のどこかで一人の人間が、”かつて「恋愛」と呼ばれたもの”に出会おうとしている…。


PDF

Kmm(MAU)☆

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恋せよ、人類

「全ての人間が等しく幸福であるように──」
人類皆平等宣言が表明されてから幾年月。人工知能によって調整された二十二世紀の社会。人びとは労働の義務から解放され、世界中どこを探しても飢餓や貧困は見当たらないということになっていた。そんな中、一般市民であった豊田直巳は、ひょんなことから反人工知能主義の一族の少女と出会う。
彼女は失われた言葉の意味を追い求め、旅を続けていた。自らを自由探求者と称する彼女は、多様性と選択の機会を捨てた生命は果たして生きていると言えるのか、と主張する。
自由恋愛の概念を持たずに生きてきた青年と、その生き様を否定する少女。百年前の小説に登場する「恋」という言葉。
その意味を探し求めた彼らが見つけ出すものとは──

という小説の表紙とあらすじ

あらすじ(テキスト)

山口朱音(MAU)

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あたらしい恋愛のてびき

恋愛が禁忌とされた時代を経て、改めて恋愛を始める人のための指南書

酒巻菜乃子(MAU)

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第1回 恋愛競技大会

22世紀、恋愛感情と婚姻は乖離した。人は恋愛における「ときめき」を娯楽としてとらえ、競技として楽しむようになった。ときめきを感じることを「恋愛道」という道として筋立てていこうという動きが今回起こった。それが「第1回恋愛競技大会」である。

競技恋愛公式ルールブック 2128

ヤマグチアリサ、アサミナオ(MAU)

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22LOVE

感情を数値で表せるようになった時代。
世の中の価値はお金に変わって愛の量で決められるようになりました。
私たちは個人情報の一つとして、職業を聞かれる代わりに、普段どのように愛情を受け取っているのか答えなくてはなりません。
愛情とは人と人とがコミュニケーションを取ることによって芽生える感情です。
読書をしたり絵を描いたりコレクションしたりするのが好きな人でも、それだけでは愛情を獲得できません。
私たちは社会で生活するために、人と触れ合い、愛情を受け取る必要があります。

22love PDF

中村陽菜(MAU)

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幸福の発明

ラブレター

一通の手紙から恋が始まる
(海斗・蓮華・空シリーズ)

「ラブレター」 シナリオ

たくなり(TKU)☆

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家族、自由化。

2101年、日本は家族という概念を自由にしました。
恋愛はなくなり結婚という古い仕組みは消えました。
子供たちは全て人工的に作られ、大人になるまでみんな施設で育ちます。
個人としてのみ管理されるため、もう戸籍に縛られることもありません。
もちろん、法律にも縛られません。
さあ、これからは誰と家族になっても自由です。


クリスマス PDF

倉地詩織, 増田晴菜(MAU)

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バーチャル恋愛

22世紀の恋愛に生身の体は不要となり、人々は国の管理するマッチングサイトに個人情報を登録することで、自身のアバターを製作し、VR空間上での恋愛を楽しむことができる。

大関千智(MAU)

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TERRCE HOUSE – 2118 –

舞台は2118年。
台本がないという台本のもと、個性的な6人がシェアハウスする様子を記録した実験恋愛番組である。番組の登場人物は人間、AI、動物、無機物など個性的な6人。知られざるリアルな22世紀の恋愛とは?

荒幡桃音 佐藤菜々恵 甲斐実結(MAU)

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一度きりの恋愛

100年後、技術が革新し、惚れ薬がちまたで流行する。しかし、惚れ薬を飲ますことができるのは1回だけ。しかも惚れ薬を飲ませた相手と必ず結婚しなければならない。(惚れ薬を所持できる対価として)そんな中、主人公 裕典は昔、想いを寄せていた元カノ れなに惚れ薬を飲ませようかと葛藤しながら「自分にとっての運命の人とは誰なのか?」考えるストーリー。

「一度きりの恋愛」 シナリオ

大内蒼太 (TKU)

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臓器

恋愛臓

人間には腎臓や肝臓と同じように恋愛を司る臓器「恋愛臓」が備わった。「恋愛臓」はその日の気分や体調次第で取り外すことが可能である。人は最適なパートナーと恋に落ちると「恋愛臓」は光り輝き、逆に不適切なパートナーとくっついたり、はたまた取り外したまま放っておくとしおしおに干からびてしまう。
近日、そんな「恋愛臓」が次から次へと盗まれたという被害が多数報告された。その数、なんと100件。そして被害者は全員ハンサムな男性。一体誰が何のために__。
これは、22世紀 世間を揺るがした恋愛臓を巡る大事件……。

七尾恵, 山田鮎美, 吉田有花(MAU)☆

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「ギミ」僕の私、私の僕

意識が生まれた寄生生物と宿主の間の無障害交流でできた深い信頼、それは全ての人間関係を超えた深刻な絆だ。

「ギミ」テキスト

荻窪カルビ(MAU)

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突発性対人依存症

晩婚化や若者の恋愛への興味の低下が年々加速し、時代を追うごとに恋愛をする動機も薄れていた。やがて恋愛自体がなくなって他人に思いを寄せることが病気として扱われるようになった。そんな時代に起きた若者たちのお話です。

小笠原恵, 半田美幸, Ima(MAU)

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武蔵野恋診クリニック

22世紀での恋愛は「感情に刺激を与え、心を活性化させる有効な方法」である。
健全な心身を保つために運動と同じように行うことが望ましいと認知されているが、まだ習慣化している人は多くない。
そのため、一部民間クリニックやエステでは恋愛診療が行われているが、保険適用外となっている。

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Webサイト

大藤, チョウ, 渋谷(MAU)☆

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運命

22Cレンアイタロット

未来をモチーフにしたタロットカード。
技術が発展し、ソーシャルメディアが活発化し、人々は多様性を重んじ、主体性を高める。



志賀秋子(MAU)

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愛のカタチ

100年後の日本では全人類の体内にICチップが埋め込まれている。そのICチップにはその人の全ての情報がインプットされている。主人公の小田川 みなみはICチップ管理局である「H&C」に勤めており、みなみは残りの寿命をデータで管理し通告する部署に所属している。そんな中、みなみの恋人・風間 蓮の名前が余命1ヶ月と表示されているのを見つけた。戸惑うみなみ。彼女の取った行動とは…!?

「愛のカタチ」 シナリオ

甲田, 小野, 吉川(TKU)

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暗黒の21世紀

藍と黒

22世紀の日本は超個人主義社会となり、若者の恋愛離れが行き着くところまで行ってしまう。その結果、恋は理解できない感情と化し、恋愛というジャンルはサイコホラーとほぼ同義のものになった。小説という作品形態とAmazonさんなら、100年後でも生き残っているだろうと信じて検索を重ねた私は、ついに22世紀のベストセラー恋愛小説の販売ページをキャプチャーすることに成功した。


スクリーンショット 2118-10-17 15.21.26(PDF)

石崎愛(MAU)

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恋愛と22世紀の構想


PDF

菊池彦(MAU)

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あつくんの彼女

あつくんは、21年間彼女がおらず愛に飢えていた。そんな中出会い厨魔太郎の策略とVR技術の発展により 仮想空間の女の子みちかに恋をする。

「あつくんの彼女」 シナリオ

松葉, 桂(TKU)

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国家

恋愛ライセンス

犯罪が増加した21世紀の日本。ストーカー問題やデートDV、恋人間のモラスハラスメントなど、恋愛における問題は後を絶たない。横行する不貞行為、泥沼化する離婚騒動に、それらを騒ぎ立てるマスメディアや世間。これらの恋愛における諸問題を解決するべく、22世紀に恋愛をする者へ「恋愛ライセンスカード」の所持が義務付けられた。

恋愛ライセンス取得のご案内 PDF

あみのん, きしも, とらさん, まるひろ(MAU)☆

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恋愛警察24時

20XX年多種多様な恋愛が生まれ現在では、想像もつかない恋愛も存在する。しかし、自由がすぎて荒れ果てた世の中に歯止めをかける存在が必要となった。その名も『恋愛警察24時』!!!

「恋愛警察24時」 シナリオ

いわま・きはら(TKU)

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UKT帝国

ロボット技術やVR技術などの事業を行なっていたUKT株式会社は2088年に発売された自律型アンドロイド「UKT-001」がブームになり、”一家に一台UKT-001”が2089年の流行語大賞に選ばれ、翌年発売されたUKT-002は省庁でも採用されるなど急成長していた。そんなUKT株式会社は2093年、圧倒的な力によって東京都の実権を握り、2095年には政府の後押しを受け、東京都をUKT独立自治区に改編されクニを運営することなったのだ。 UKT株式会社の三浦観音社長は、2098年年末に突如として「高DNA保護法」と「公序良俗健全育成法」、「男女交友禁止法」を発表し、2099年自治区の全住民を対象にDNA健全化と管理ナンバーの腕輪をつけたアンドロイド以外の住民の男女の私的交友禁止を実施した。しかし、三浦観音の一人息子、海斗は禁止されていた管理ナンバーを外したアンドロイドと人間が交流することができる喫茶店「じゆう」に入ってしまった。
(海斗・蓮華・空シリーズ)

「UKT帝国」 シナリオ

住之江(TKU)

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隕石

22世紀社畜恋愛論

働き方改革崩落後、社会は低迷を続けたまま22世紀に突入した。この時代に、パートナーにはどのようなことが求められるのか。


22世紀社畜恋愛論 PDF 全7ページ

佐法師(MAU)☆

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人類滅亡爆発無差別恋愛感

22世紀の恋愛論は21世紀に生きる私たちが論述するのは無意味な気がする。
21世紀に考えられた恋愛論は21世紀の憶測の域を出ないはずであるから、あまり論理立てて考えるのもいかがなものか。
しかし、それでは話が始まらないので「もし、21世紀に隕石が落ちて、ニンゲンが地球上からいなくなった」としたら?
増えすぎた生き物を淘汰することによって自然界のバランスが保たれ、異種間でも生殖が可能な世界はきっと平和なのかもしれない。
弱肉強食で生きる肉食獣や草食獣も、メスとオスで分けられたらきっと自分とは違った遺伝子配列を持つ動物に惹かれあうのだろう。


人類滅亡爆発無差別恋愛感 12ページ

住職(MAU)

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シニフィアン

二十二世紀の「ハートマーク」を考える

阿久津裕亮(MAU)☆

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個人識別図形 (Individual identification form)

舞台は22世紀よりも遥か先の未来の日本。
「(いわゆる)恋愛」といったものは、とうの昔に姿を消していて、人々は安定な社会を築いていた。
過去にあった恋愛がどのようなものかを知ろうと研究する中で、22世紀の恋愛についての資料を見つける。
以下(コンテンツの中)は、その研究者の手記である。

コンテンツ

熊谷竜治(MAU)

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ポリアモリーのためのパターンオーダーシステム

愛する人は一人だけの時代は置いていこう

たな(MAU)

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本当に好きなのは

とある花屋にて。何かが起こる気がする、そんなお話。
(海斗・蓮華・空シリーズ)

「本当に好きなのは」 シナリオ

たけやん(TKU)

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リンク

ムサビ2018 多様決コンペ
東経大2018 コンペ

『恋せよ、人類』 あらすじ

 

「全ての人間が等しく幸福であるように」

そんな人類皆平等宣言の表明とともにAIコントロールシステムが導入されてから、すでに100年以上が経過した。世界の総人口を5億前後に保ち、人間が生きるために必要な食料や生活用品など全てのものが機械によって自動的に賄われた。一定の基準を満たす生活の保証はされていたが、人類の発展性を保持するためにAIは人間が放蕩することを認めはしなかった。しかしながら仕事という概念は強制力を失い、人間は労働を娯楽とみなし、それに従事した。

地球の適正人口が5億前後であると判断したAIは人間が自由に繁殖することを認めなかった。デザイナーズベイビーとして生まれていない最後の世代の旧人類の中では、それを人権侵害だと反対するものも少なくなかった。このことは旧新人類の世代交代の際の悲劇的な出来事として歴史に伝えられている。現在はほぼ全ての人間が、健康・容姿・身体的潜在能力・知能的潜在能力が最適化された遺伝子を組み合わせられ、試験管の中から誕生する。その際、生殖機能は本来の役割を果たさぬよう調整されている。ある程度の多様性を保持するため、生存に関係のない能力の値は乱数によって振り分けられている。コミュニケーション能力を養うために疑似的血縁グループは形成されるが、それは旧人類でいう「家族」とはまた別の意味を持つ関係性である。

AIが許容し、ごくごくわずかに旧人類式に子孫を残した人間のグループは残っているが、血縁の脆弱化によりいずれ絶滅するとされている。

旧人類の時代から幾つかの言葉の意味が失われた。「恋」とはそのうちの一つである。旧人類式の家系に生まれ、反人工知能主義団体の一員でもある少女・真木マリネは、古い小説で度々見かけるその言葉に興味を惹かれている。

旧人類式とはいえ、マリネは生まれた時から結婚相手が決まっている。それは、少しでも血族内の遺伝的強度を保つためである。その必要性を理解しているからこそ、なおさら「恋」というものがわからなかった。

反人工知能主義団体の自治区で暮らすマリネにとっては、何もかもがAIによって保証される生活も同じく理解できるものではなかった。それは嫌悪の対象にもなった。

しかし、マリネは嫌悪するものだからといって、実際に目で見て聞かず、触れないまま、理解できないことを放置できる性分でもなかった。ある日、マリネは自治区を抜け出して街に出かけた。本来ならば許可証を持つものしか街区間の移動はできないのだが、子供の頃に見つけた抜け穴を利用したのだった。完全にAI管理下にある街では、身分証明ができなければ飲食もままならない。そのことに気付いたときには日も暮れかけようとしており、マリネは公園でひもじい思いをしていた。だが、このまま自治区に帰るには気が進まなかった。そこで出会うのが豊田直巳である。

豊田直巳は腹をすかせたマリネを不思議に思ったが、彼女のいうがままに食料を与えた。そして、マリネの言う「恋」という言葉に興味を持ち、協力を持ちかける。

 

個人識別図形  (Individual identification form)

22世紀の恋愛がどのようなものであったのか。
それを知る鍵が、北岡健吾著『22世紀の国家戦略』の中にあった。

文章
「恋愛政策
22世紀は恋愛においても政府が介入する特異な期間であった。20世紀末に端を発する人口減少は2090年頃にピークを迎えるのだが、その問題を解決するために恋愛にまで国が立ち入らざるを得なかったのである。政府はまず、育児に関する税金の免除や生活費補助などといった金銭面での優遇に関する政策を打ち立てたが、大きな効果は得られなかった。危機感を覚えた政府は徐々に介入の度合いを強め、最終的に行き着いたのが国家規模でのマッチングであった。

個人識別図形 (Individual identification form)

人口増加を促すには結婚後の対策だけでは足りないと判断した政府は、その前段階である恋愛を促すための対策に打って出た。その中核を担ったのが「個人識別図形 (Individual identification form)」である。これは、18歳を迎える全ての人が登録することを義務付けられた、個人を示す図形であり、遺伝子情報、環境因子、性格診断による情報、学力調査などの多様な情報に基づいて、厳密に規定される。その形はまさしく個人の象徴であり、形が近しい相手とは様々な面で相性が良いと公表されていた。(なお、完全に形が一致することは稀であるがないわけではなかったらしく、そういった相手は、いわゆる運命の相手とされた。)
図形の作成に基づいた情報と個人識別図形の形態的特徴との相関関係は公表されておらず、形による有利不利、良い悪いといった情報も不明であったが、巷では形の特徴から性格を分析したり、形の意味を解明しようとする動きが流行した。また、個人識別図形をキーホルダー状にしたものを身につけることが推奨され、あらゆる公共空間が社交の場と・・・」

この書物によると、個人にわざわざ図形を割り振って、それを恋愛の補助として用いていたようだ。
今となっては、なぜそこまでして恋愛のような不確実な形式を推奨していたのかを知る術はない。
さらなる資料の発見を期待したい。

 
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触覚的自我 ムサビ2018全作品

武蔵野美術大学基礎デザイン学科 2018年9月21日

・正面の写真だけで伝わらない部分は、角度や光線を変えた撮影で補いました。
・解題や名前の表示などに変更があれば申し出てください。
(撮影順)


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22世紀恋愛論全作品 (ムサビ2018)

課題:
恋愛(とかつて呼ばれていたもの)の22世紀を構想し、作品を制作する。
作品形態は自由。ただし(現在の)メールで送れること。3分以内に鑑賞可能であること。

提出期限:10月17日(水)
到着の逆順で掲載しています(下のほうが早く提出された作品)
未提出者は早急に提出してください。すでに提出した作品の修正は今世紀末まで受け付けます。

ワークショップ参加マニュアル

多様決入賞作品

スープ 16 17 = 272  グランプリ
恋愛ライセンス 11 15 = 165 2位
22世紀社畜恋愛論 13 11 = 143 3位
武蔵野恋診クリニック 5 20 = 100 4位
恋愛臓 3 27 = 81 5位

22世紀創世記 17 1 = 17 イイネ賞
二十二世紀の「ハートマーク」を考える 15 1 = 15 イイネ賞
双隻高校恋愛殺人事件 3 9 = 27 ヤバイネ賞

多様決とは?

人類滅亡爆発無差別恋愛感

22世紀の恋愛論は21世紀に生きる私たちが論述するのは無意味な気がする。
21世紀に考えられた恋愛論は21世紀の憶測の域を出ないはずであるから、あまり論理立てて考えるのもいかがなものか。
しかし、それでは話が始まらないので「もし、21世紀に隕石が落ちて、ニンゲンが地球上からいなくなった」としたら?
増えすぎた生き物を淘汰することによって自然界のバランスが保たれ、異種間でも生殖が可能な世界はきっと平和なのかもしれない。
弱肉強食で生きる肉食獣や草食獣も、メスとオスで分けられたらきっと自分とは違った遺伝子配列を持つ動物に惹かれあうのだろう。


人類滅亡爆発無差別恋愛感 12ページ

住職

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疑似恋愛IC

22世紀、かつて「恋愛」と呼ばれていたものは第四次産業と化す。政府が疑似恋愛体験サービスを開発し、商品として提供することになった。
消費者は恋愛をするとことで得られるドキドキや興奮、癒しなどの精神的な状態が内臓されたICカードを自動販売機で購入し、そのカードを脳内に埋め込まれたICチップにスキャンすることによって、特定の対象がいなくても、恋愛的な体験を“手軽に”、“無駄なく”体験することができる。いわゆる、特定の相手がいなくても恋愛することが可能だし、時間の無駄もない。
例えば、「長澤雅美みたいな美人とのディズニーランド」とか「枯れ専大満足特集」とか販売されている精神状態は数千種類を超える。不特定多数の人とデートできるのみならず、精神的な負担もかかりません。
いつでも、どこでも、君のニーズを満たせる!

KOU, AKI

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ポリアモリーのためのパターンオーダーシステム

愛する人は一人だけの時代は置いていこう

たな

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TERRCE HOUSE – 2118 –

舞台は2118年。
台本がないという台本のもと、個性的な6人がシェアハウスする様子を記録した実験恋愛番組である。番組の登場人物は人間、AI、動物、無機物など個性的な6人。知られざるリアルな22世紀の恋愛とは?

荒幡桃音 佐藤菜々恵 甲斐実結

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スープ

小学校の先生による22世紀末の地球の人間の恋愛についての解説

ノルウェー

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-箱-22世紀の狂愛

男女の恋愛における思考は100年足らずではそうそう変わるものでは無いと仮定する。究極の自己犠牲でもあるのが恋愛だとすれば、常に相手のことを思って、2人だけの世界を分かち合いたいと願うはずだ。
この心理に陥った恋人は22世紀の世界でどのような運命を辿るのか、白い箱と一組の男女で想定した。この箱に入るのは絶対に2人でなければいけない。2人以上になった時でないと抜け出すことは出来ない。これはある意味、愛と言うよりは狂気かもしれない。

-箱-22世紀の狂愛 14ページ

塩屋椒

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22世紀社畜恋愛論

働き方改革崩落後、社会は低迷を続けたまま22世紀に突入した。この時代に、パートナーにはどのようなことが求められるのか。


22世紀社畜恋愛論 PDF 全7ページ

佐法師

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FAKE HEAVEN

人々は労働から解放され、何もせずとも必要なものが用意される時代。
AIによって作られる幸せの中で、恋愛も『創られる』ようになる。



FAKE HEAVEN(PDF)

Ariue

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恋せよ、人類

「全ての人間が等しく幸福であるように──」
人類皆平等宣言が表明されてから幾年月。人工知能によって調整された二十二世紀の社会。人びとは労働の義務から解放され、世界中どこを探しても飢餓や貧困は見当たらないということになっていた。そんな中、一般市民であった豊田直巳は、ひょんなことから反人工知能主義の一族の少女と出会う。
彼女は失われた言葉の意味を追い求め、旅を続けていた。自らを自由探求者と称する彼女は、多様性と選択の機会を捨てた生命は果たして生きていると言えるのか、と主張する。
自由恋愛の概念を持たずに生きてきた青年と、その生き様を否定する少女。百年前の小説に登場する「恋」という言葉。
その意味を探し求めた彼らが見つけ出すものとは──

という小説の表紙とあらすじ

あらすじ(テキスト)

山口朱音

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あたらしい恋愛のてびき

恋愛が禁忌とされた時代を経て、改めて恋愛を始める人のための指南書



酒巻菜乃子

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「ギミ」僕の私、私の僕

意識が生まれた寄生生物と宿主の間の無障害交流でできた深い信頼、それは全ての人間関係を超えた深刻な絆だ。

テキスト

「ギミ」

ポスター

荻窪カルビ

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武蔵野恋診クリニック

22世紀での恋愛は「感情に刺激を与え、心を活性化させる有効な方法」である。
健全な心身を保つために運動と同じように行うことが望ましいと認知されているが、まだ習慣化している人は多くない。
そのため、一部民間クリニックやエステでは恋愛診療が行われているが、保険適用外となっている。

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webサイト

大藤, チョウ, 渋谷

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第1回 恋愛競技大会

22世紀、恋愛感情と婚姻は乖離した。人は恋愛における「ときめき」を娯楽としてとらえ、競技として楽しむようになった。ときめきを感じることを「恋愛道」という道として筋立てていこうという動きが今回起こった。それが「第1回恋愛競技大会」である。

競技恋愛公式ルールブック2128


PDF

ヤマグチアリサ、アサミナオ

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藍と黒

22世紀の日本は超個人主義社会となり、若者の恋愛離れが行き着くところまで行ってしまう。その結果、恋は理解できない感情と化し、恋愛というジャンルはサイコホラーとほぼ同義のものになった。小説という作品形態とAmazonさんなら、100年後でも生き残っているだろうと信じて検索を重ねた私は、ついに22世紀のベストセラー恋愛小説の販売ページをキャプチャーすることに成功した。


スクリーンショット 2118-10-17 15.21.26(PDF)

石崎愛

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バーチャル恋愛

22世紀の恋愛に生身の体は不要となり、人々は国の管理するマッチングサイトに個人情報を登録することで、自身のアバターを製作し、VR空間上での恋愛を楽しむことができる。

大関千智

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恋愛のある風景

22世紀。異性、ヒトではないものに恋愛感情を抱くこともごく一般的になり、男女モデルを立てた作品への共感が得られにくくなる。

人々は風景に脳内でそれぞれ思い思いの相手と自分を置き、感情移入するようになった。

鈴木ひなの, 立石美礼

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恋愛ライセンス

犯罪が増加した21世紀の日本。ストーカー問題やデートDV、恋人間のモラスハラスメントなど、恋愛における問題は後を絶たない。横行する不貞行為、泥沼化する離婚騒動に、それらを騒ぎ立てるマスメディアや世間。これらの恋愛における諸問題を解決するべく、22世紀に恋愛をする者へ「恋愛ライセンスカード」の所持が義務付けられた。

恋愛ライセンス取得のご案内 PDF

あみのん, きしも, とらさん, まるひろ

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双隻高校恋愛殺人事件

双隻高校恋愛殺人事件に関する RememeWiki項目


新聞記事 PDF

堀内麻由, 平野妙子, モギ明結

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22LOVE

感情を数値で表せるようになった時代。
世の中の価値はお金に変わって愛の量で決められるようになりました。
私たちは個人情報の一つとして、職業を聞かれる代わりに、普段どのように愛情を受け取っているのか答えなくてはなりません。
愛情とは人と人とがコミュニケーションを取ることによって芽生える感情です。
読書をしたり絵を描いたりコレクションしたりするのが好きな人でも、それだけでは愛情を獲得できません。
私たちは社会で生活するために、人と触れ合い、愛情を受け取る必要があります。

22love PDF

中村陽菜

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ナルフィリア(自思自愛)

れめめwiki「ナルフィリア」の項へ

22世紀、セクシュアル・マイノリティーが社会的に定着し性のあり方が多様化した時代。自身を性的対象とする「自思自愛」の性を持つ人たちやその概念について解説。

映画『ナルフィリア narphilia』ポスター

22世紀になって認められた新しい恋愛概念である自思自愛、通称ナルフィリアを題材にした初の映画。少女は自身の性との葛藤を乗り越え、新しい愛の形を表現するのであった…。(2175年公開)

石井潮音, 荻田夏子, 小澤育実, 笹原早希子

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職業『恋人』

医学の進歩により子孫を残すことが容易になった未来…人類にとって恋愛はエンターテイメントになっていた。そんな二十二世紀で大人気となった職業、それが…
『恋人』である!
次の三遍は形は違えど、そんな恋人を目指す若き才能たちの序章である。彼らが出会う日もそう遠くはないだろう…


4コマ漫画3点

LOVE・プロレスラー

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個人識別図形 (Individual identification form)

舞台は22世紀よりも遥か先の未来の日本。
「(いわゆる)恋愛」といったものは、とうの昔に姿を消していて、人々は安定な社会を築いていた。
過去にあった恋愛がどのようなものかを知ろうと研究する中で、22世紀の恋愛についての資料を見つける。
以下(コンテンツの中)は、その研究者の手記である。

コンテンツ

熊谷竜治

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恋愛臓

人間には腎臓や肝臓と同じように恋愛を司る臓器「恋愛臓」が備わった。「恋愛臓」はその日の気分や体調次第で取り外すことが可能である。人は最適なパートナーと恋に落ちると「恋愛臓」は光り輝き、逆に不適切なパートナーとくっついたり、はたまた取り外したまま放っておくとしおしおに干からびてしまう。
近日、そんな「恋愛臓」が次から次へと盗まれたという被害が多数報告された。その数、なんと100件。そして被害者は全員ハンサムな男性。一体誰が何のために__。
これは、22世紀 世間を揺るがした恋愛臓を巡る大事件……。

七尾恵, 山田鮎美, 吉田有花

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「VRなんて絵空事」の表紙

東京経済大学22世紀恋愛論ワークショップ作品「VRなんて絵空事』(著:伊藤匠)を文庫本化すると想定してその表紙を描いた。

甘味屋みりん

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家族、自由化。

2101年、日本は家族という概念を自由にしました。
恋愛はなくなり結婚という古い仕組みは消えました。
子供たちは全て人工的に作られ、大人になるまでみんな施設で育ちます。
個人としてのみ管理されるため、もう戸籍に縛られることもありません。
もちろん、法律にも縛られません。
さあ、これからは誰と家族になっても自由です。


クリスマス PDF

倉地詩織, 増田晴菜

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恋愛と22世紀の構想


PDF

菊池彦

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22Cレンアイタロット

未来をモチーフにしたタロットカード。
技術が発展し、ソーシャルメディアが活発化し、人々は多様性を重んじ、主体性を高める。






志賀秋子

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22世紀創世記

人類は少子高齢化の危機を脱するため、人工受精を試みた。月日が経ち人工的な人類増加は成功し、その後も対策は続けられた。いつしか人間自らが交配する必要が無くなったため、恋愛・結婚をする人間が減少。「恋愛は娯楽」と捉えられる時代も過ぎ、やがて恋愛自体に共感を得る人間が居なくなり、恋愛という娯楽も消え去った。

そして22世紀。地上のどこかで一人の人間が、”かつて「恋愛」と呼ばれたもの”に出会おうとしている…。


PDF

Kmm

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突発性対人依存症

晩婚化や若者の恋愛への興味の低下が年々加速し、時代を追うごとに恋愛をする動機も薄れていた。やがて恋愛自体がなくなって他人に思いを寄せることが病気として扱われるようになった。そんな時代に起きた若者たちのお話です。


シナリオ PDF

小笠原恵, 半田美幸, Ima

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二十二世紀の「ハートマーク」を考える

阿久津裕亮

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宇宙整形販促ポスター

宇宙人が人類と恋愛をするための美容整形のポスター。
宇宙人が人間に寄せる手術なので、文字はすべて宇宙公用語。(数字は人類と宇宙人共通)

AK, シヴァ

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ワペラ遺伝子集(MAU2018)

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テーテュース テーテュース

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8730240213458157646567183299
へーメラー 規則と不規則

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アフロディーテ

004-1971909999517750199199051197

1971909999517750199199051197
ウアジェト インベーダー

005-0123459999012345999901234599

0123459999012345999901234599
アフロディーテ 葡萄の木

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1311146219710493510451513373
ディオニューソス スキー

007-0012223363454515667717848899

0012223363454515667717848899
アイテール 結晶

008-0100334050820700901200400605

0100334050820700901200400605
ベス 下へ、枝垂れ

009-0111653000882996500021216905

0111653000882996500021216905
ヘーベー 白結晶

010-1711022523334485456677688099

1711022523334485456677688099
ソプデト 破る

011-0043070142740280570367754987

0043070142740280570367754987
カオス 汚れシマウマ

012-0831142223308461546757867599

0831142223308461546757867599
ムト 滝

013-8688414888844144814844644864

8688414888844144814844644864
イムホテプ 根をはる

014-8884841844861466444484184884

8884841844861466444484184884
イムホテプ 壁画

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セクメト ネックレス

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ハピ 雨の日の窓

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セベク 焼き鳥

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ニュクス 森

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タルタロス むし

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テフヌト ビリッとやっちゃった

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モンチュ ヌチチポヌ