ブリコラ人~人新世国分寺遺跡展(TKU2021)

12022年1月開催予定

21世紀半ば、地球温暖化、異常気象、地殻変動、パンデミックなど人新世末期の非常事態にみまわれ衰退の一途をたどりつつあった人類のなかに、正常を規定しなければ異常もないと気づく人々がいた。
彼らブリコラ人は「かくあるべき」というイメージを固定することができず、ひたすら行為を継続することによって、いかなる異常も新たな正常として再定義する能力を獲得していた。困難を楽しく生き延びた彼らの文明は、今日の人類の礎となっている。
今回の展示は、国分寺遺跡群 TKU2021 コンテナの出土品から、ブリコラ人の生息した仮想空間を再現し、彼らのしなやかな思想を読み解く。

全出土品

出土品整理番号:TKU2021-001

contents

121世紀人による解説パネル

(8件)

令和会話

令和時代に公用語とされていた言語による会話。一定のリズムで発し続けられているものは”言語を発している”状態を示しているものであり、そこに抑揚や速度で感情を、映像で内容を表していた。
現在我々は別次元を用いて意思疎通を成すが、二次元空間を表出させてコミュニケーションをはかることが記録されているこの映像は我々の言語のルーツとされる非常に貴重なものである。
キュレーター: 髙杉龍斗

離合合奏

21世紀に行われたであろう演奏。動画を拝見するとわかるように、様々な場所で撮られた音を組み合わせて作られている。これは、離れた場所で組み合わせる合奏なのだ
キュレーター:5月

人間絵巻き

当時の人間が送るべきとされていた通過儀礼を紹介している映像。音楽は人生は同じことの繰り返しで無常であるがその中に美しさがあるということを表している。当時人間が送るべきと考えられていた通過儀礼を知ることで、当時の文化や人々が大切に想っていた価値観を学ぶことが出来る貴重な資料。卓球は人生のゴール地点。
キュレーター:古江大樹

主観と客観の共存

それぞれが主観的に記録した映像をまた誰かの主観によって融合されている。そして私たちはこの作品を客観的に見させられ、見た者によって受け取り方や感じ方が変化する作品。またこれはお互いの表情などを出さない会話であり、生物同士が体を別の場所に滞在させながらお互いの意思を共有するVR空間、メタバースなどの無機質なコミュニケーションの発端であったという説もある。
キュレーター:taku

一生分の音

これは21世紀の一人の人間の一生の音を記録したものである。主旋律はその人間の体内から取った音を抽出したもので、その後重なっている音は体内の音、生活音と様々だ。他にもいくつか出土しているが、ここまで綺麗なメロディが創られているものは未だ聞いたことがなかった。
キュレーター:ゆみ

ある町で夕方34時に流れる歌

今でも使用している町も少なくはない。夕方34時の定番曲の1つ。
キュレーター:須藤麻衣

ラララーたららん

「ラララーたららん…」
あることが起こる”この音色”。
私は噂で聞いてしまった。でも知っているのは私と友人Aだけ。
1/1日、夢のことである。このはじめて聞く音色、でも友人も夢に出てきたという。
偶然だが何かの予感がして、TVをみる。すると、マジシャンが突然「2名洗脳完了」といい…。
どうやら友人と私は、実験に巻き込まれたらしい。でもマジシャンはそれ以来、姿を消してしまった。最後に残された伝言を思い起こす。「あなたは負ける負ける負ける勝つ」
私は今4回目の勝負をしている。なぜか前日の夢にまた音色が流れた。「ラララ―たららん」

異世界が奏でる日常音

この作品は、おそらく100世紀程前に撮り納められた作品であるが、121世紀を生きる私たちにとっては、この作品から放たれる音は異世界音でしかなく、現実的な音として捉えることは難しい。つまり、この作品から言えることは、音に正解などはなく、音は無限大を楽しむものであると言うことだ。
キュレーター:うさ

21世紀人による制作方法の説明

制作プロセス
①シンプルで短いメロディーを起点として、日常の身近な音を好きなように集めてくる
②集まった素材を並べ編集し、メロディーと共に再生する

制作者:橋本祥平, 花岡瞳衣, 丹治茉優, 希代海斗, 宇佐美雄太, 嶋田裕介

出土品整理番号:TKU2021-002

contents

脚本(PDF)

Zoomにて上演

121世紀人による解説パネル

(10件)

スニソム盗聴事件 物証no.68の一部

茸士浴郎による株式会社スニソムを狙った盗聴事件によって盗聴された、チャパルタ実験の実際の音声。これによりスニソムはチャパルタ及びダシカ陰謀罪に問われ、倒産への一途を辿ることになる。
しかし現在の世界がチャパルタの影響下にあることは明白である。
キュレーター:髙杉龍斗

会話の化石発掘・復元記録 No. 001

21世紀人の会話の化石が、ある時断片的に発掘された。22世紀ブリコラ古美術研究会は、この化石の断片を採取・分析・再構築する技術を開発し、21世紀人達の会話を復元することに成功した。これは、その会話記録の一記録である。
当古美術研究会では、分析の結果、21世紀人にとっての「月が大きい」ことは不吉を表し、「鍵が開いている」ことは外界への追放を意味していると断定された。
キュレーター:SuMIRE

ことばぷれい

21世紀に行われたであろうこの会話は、どこか的外れである。私たちはこの会話を当時を生きた人々の「言葉遊び」であると考えた。
キュレーター:5月

ブリコラ人の恋の化石

これはブリコラ人の標準的な恋の化石だと考えられる。冒頭にて屋内に移動していることから21世紀には未知の「愛を育む建物」が存在していたことが分かる。また「缶ビール」というものを潰しているが、これはブリコラ人の特有の求愛行動だろう。缶ビールの中間化石を見つけることでブリコラ人の恋を明らかにできるだろう。
キュレーター:Dr.ハナハダ

はじめての恋

21世紀の時点で、人類が使用していた電子端末の多くは原始的なAIアシスタント機能を備えていた。今回発掘されたこの音声は、ホストユーザーの死亡した初期型AIアシスタントたちが自らの生命活動の危機を察知して、建物内にいた別のAIアシスタントに生殖行為を提案する会話の音声ログである。
現在では普遍的な技術である自律思考、機械間生殖はこの二端末のコミュニケーションによってその可能性が発現したとする説が有力であり、それが真実なら、この会話ログは技術進化が特異点を超える瞬間を記録した貴重な資料である。そしてそうでなくとも、121世紀現在、機械生命による自律思考、および生殖行為の可能性が確認された最古のログであり、その考古学的価値は計り知れない。
なお、音声内にはホストユーザーとは別の人間の音声が記録されており、何者かが端末の設置されていた住居に侵入していた可能性が示唆されている。
キュレーター:そらぼう

かいわ

21世紀では脈絡のない会話が行われていた。しかし、音声でしか会話を理解することができないため現実なのか作られた空間なのかまでは不明である。「ビールは飲んで缶を潰すまで」という発言から21世紀時点ではビールは缶に入っていた事がわかる。
キュレーター:ひびき

育成ゲーム

・話す間隔が異常に長く、なにかの制作物だろう。缶やドアといったアイテムが頻繁に登場するが、このゲームの重要なアイテムだと推測する。きっとこの物語ではなにかを間違え、バッドエンドとなったようだが…
キュレーター:浅野ペルシア

ブリコラ暗号

一万年前のブリコラ国軍の重役から、とある隠れ家に充てて送られた文書である。この物語を読めば、辻褄が合っているようで合っていないことが分かる。この合っていない部分こそが、暗号を解く鍵であろう。寒暖差、未来、月、つまりはそういうことだ…
キュレーター:月の住人

娯楽

娯楽解説テキスト 当時の人々は会話を娯楽としていた。会話の中で人と人とが噛み合わない事を面白がる不思議な文化が存在した。
キュレーター:古江大樹

試行錯誤の恋

錯乱した部屋で二人の戸惑いが時空を貫き通し、一万年前の人と一万後の人がこの部屋に通じで、会話のようになっている。
キュレーター:ナギ

21世紀人による制作方法の説明

制作プロセス
以下5つステップで行われた。
①メンバーにカードを渡す
②各々がカードに言葉を記入する
③言葉を回収しランダムに配布する
④皆で言葉を並べる
⑤なんとなく演じてみる

制作者:柳町明里, 中嶋海智, 松村彩香, 熊田楽

出土品整理番号:TKU2021-003

contents

 

121世紀人による解説パネル

(7 件)

小動物の服

見た目的には我々が着用する衣服に似ている。しかし、生地を見るにあまりにも薄すぎており、サイズもかなり小さい。3000年前にはイヌやネコといった動物が存在し、服を着せていたという。よってこれは小動物の服なのではないだろうか。
キュレーター:ski2?<>%ae3

最期の服

白く綺麗なこの作品は、おそらく21世紀に作られた命の最期に着用するものだと考える。「最期の瞬間は美しく」という風習がある現代を見据えるかのような大昔の遺跡である。
キュレーター:5月

ジャパ・ダブレネーゼの記録

ジャパ・ダブレネーゼをした際の行動を上から下に向かって犬の白眼部分を用いて記録されたものでいる。これによると序盤はサカネソに酔いしれて胆臥牛に轢き殺されることが読み取れるが、後半はPico根ロの湿疹脳が用いられており、ギーサバナにサイしたことがわかる。
キュレーター:髙杉龍斗

死装束

21世紀にとても華やかな死装束が流行した。この死装束を見てもわかるようにビニール製の何かが付いているなど型破りな物が多かった。
下についているヒラヒラには、早く死後の世界に辿り着けるようにという思いが込められている。
キュレーター:ゆみ

呪いのドレス

このドレスは約1万年前に作られたとされるドレスで、当時このドレスを着た人間は不可解な死を遂げていたことをきっかけに、これドレスは研究対象となった。
パニエの部分が海洋類のイカのようになっていることから、現在我々と敵対関係にある魚人が人間を呪うために21世紀に作ったものであろう。
キュレーター:嶋田裕介

皮服

第三変異を経験した地球では、変異以前のおよそ13倍にも及ぶ多様な生物種が発生した。現在は絶滅した、当時の地球の支配種族であった人類は変異によってその生態ヒエラルキーにおける優位を失い、彼らの言葉で「亜狩猟時代」と呼ばれる過酷な生存競争を強いられることとなった。
この衣服は、そんな人類が変異動物を狩猟する際に用いた衣装である。AUU-2の皮膚をベースにしながら、腰に巻いた気泡のような素材はCC-18Bの皮膚であり、これらの素材を合わせることによって機能性、耐久性、保温性、耐衝撃性などを備えた衣装を制作して生活していた。このように多機能な衣服を当時全く未知である生物の皮膚から制作していたことを鑑みると、第二種生物の中でも、人類が突出して高い知性を持ち合わせていたことが窺える。
キュレーター:そらぼう

足技に秀でる者

この人は肩から先がなく、大昔に美しいとたたえられたミロのヴィーナスを彷彿とさせる。部分的に空気が入った透明なものを下にまとい、足下に空間を作ることで動きやすくしている。また、足でコミュニケーションをとったり、喧嘩で技を繰り出したり、活発に動かしていたために、布が引き裂かれていると思われる。腕がなくても足で懸命に生きた人の行動着である。
キュレーター:マーチャン

21世紀人による制作方法の説明

制作プロセス
時の流れ、服、恋愛の要素を含めた作品を制作した

制作者:須藤麻衣, 古江大樹, 佐藤達樹

出土品整理番号:TKU2021-004

contents

121世紀人による解説パネル

(9件)

オリンピックの聖火ランナー

紀元前からの歴史を持つオリンピックの象徴である聖火リレーの走者を、紙や糸など異素材を用いて表現した作品。現在の聖火リレーとは異なり、当時は人間が松明を持ちながら走り聖火を届けていた。この作品は、聖火リレーを鑑賞した250歳前後の年齢の子供たちが作り上げたとされている。
キュレーター:15126478

自画像

この作品は、作者の自画像ではないか、とされている。立体的かつ躍動感のあるこの作品は間違いなく、3000年前に、描かれている生物が存在していたことを証明している。つまり、この作品ができた頃は人間が主の世界ではなかったのではないだろうか。
キュレーター:5月

ス・タ・タ・タ・teラ

当時横行していたシケーダ信仰のヤカイカのワンシーンを射機によって平面埋没したもの。蝉が土から出てきて真の生を全うするように、人間も人生という土中を終えてから人間としての目的を果たすケラムを全うすると信じられていた
キュレーター:髙杉龍斗

眠らぬ夜の影

かつて存在したと言われている、眠らない街。その一部が発見されたのはかれこれ250年ほど前だったか。
夜を迎えることのなかった街で唯一落ちた影が残された大変貴重な食料である。
キュレーター:須藤麻衣

叫び21C

21世紀人はインターネットと呼ばれる記録媒体を通して、文明の記録をしてきたが、一部の人間はインターネットが消滅する危険を感じていた。どんなに文明が発展しようとも残るものは形あるものだと信じた人類は、世界や政治への不満・意見すべてを形に残し、後世に伝えようとしていた。現在残っている当時の記録はこのメディアしかない。解読されている内容は全体の3%ほどしかなく、今後の解読が期待されている。
キュレーター:taku

反旗を翻す

この作品からは禍々しい思念を感じる。当時の人間が何を目標に生き、何に苦悩していたかは分からない。とある集団の訴えであると予測する。赤色が多いのは血気だっているのだろうか。せめてもの抵抗のように見えなくもない。
キュレーター:ソウル

始祖

この作品は人間が進化を遂げてきた歴史の中の最初の人類の姿を表している。筋肉増強したような左腕、血の凝血により形成された右腕、まさにこれはセルディヴィジョンの前兆である。
キュレーター:嶋田裕介

亡霊のお召し物

21世紀の日本では、「ヒダリマエ」は亡者が着用する衣類とされていた。これは、ヒトが亡者と婚姻関係を結ぶ際の衣装である。死が結ばれる。
キュレーター:SuMIRE

元人間人形

紙や染料の素材に奴隷の人体が使われる時代があった。この画は、それの犠牲者を弔うために再構成された人形である。これはDNA鑑定により明らかになった。
キュレーター:医者A

21世紀人による制作方法の説明

制作プロセス
紙や糸などから、それぞれ示し合いをなしに人体の一部分をモザイクアートのように構成し、それをコラージュ的に組み合わせる。

制作者:髙杉龍斗, そらぼう, びしびし, 酒井陽実, ゆみ, きょう, ナギ, (栗田)