22世紀恋愛論作品集(東経大2018)

性別の未来、家族構造の未来、出会い空間の未来、機械の恋、生殖革命、変わらない恋、などのテーマで議論を重ねた後、22世紀のリアルな恋愛ドラマを構想するワークショップ。

2018年6月 東京経済大学コミュニケーション学部 可能人類学

課題:恋愛(とかつて呼ばれていたもの)の22世紀を構想し、作品を制作する。
作品形態はシナリオ。Wikiを用いて作業すること。

maclay

世界最大級の化粧品会社マクレスが開発した最新鋭の化粧品「maclay」(メイクレイ)。「maclay」の名前はmakeとclayを合わせた造語である。皮膚の細胞を摘出し、その細胞を培養したもので作る特殊な粘土型化粧品。その粘土は顔や身体に貼り付けることができ、自分の好きな容姿に変えることができる。この「maclay」が巻き起こす恋愛作。

「maclay」 シナリオ

VRなんて絵空事

2107年には出会い系サイトの進化版、出会い系VR空間『sora(ソラ)』が存在する。そこではユーザー自身のアバターを作り、他人と実際に会うまでにVR空間上で出会え、疑似恋愛ができる。さらに、愛の感情を持ったAIキャラクターも存在し、AIとsora登録者が恋愛を楽しむこともある。このsoraの管理者は天草空で、soraは空の理想を形にしたAIキャラクターの山下蓮華との疑似恋愛をするために作った空間を商業化したものである。ある時、sora上のAIキャラ達がシステムのエラーにより他のAIキャラにも恋をするようになってしまった。そして、AIキャラ三浦海斗が恋をした相手は蓮華だった。本来AIはsora利用者としか恋愛をせず、AI同士の恋愛はプログラムされていない。空はシステムを書き換えたが、海斗だけは蓮華を好きなままでいた。VR上でAIと人間がAIを奪い合う22世紀の恋愛の行方とは。
(海斗・蓮華・空シリーズ)

「VRなんて絵空事」 シナリオ

ラブレター

一通の手紙から恋が始まる
(海斗・蓮華・空シリーズ)

「ラブレター」 シナリオ

恋愛警察24時

20XX年多種多様な恋愛が生まれ現在では、想像もつかない恋愛も存在する。しかし、自由がすぎて荒れ果てた世の中に歯止めをかける存在が必要となった。その名も『恋愛警察24時』!!!

「恋愛警察24時」 シナリオ

UKT帝国

ロボット技術やVR技術などの事業を行なっていたUKT株式会社は2088年に発売された自律型アンドロイド「UKT-001」がブームになり、”一家に一台UKT-001”が2089年の流行語大賞に選ばれ、翌年発売されたUKT-002は省庁でも採用されるなど急成長していた。そんなUKT株式会社は2093年、圧倒的な力によって東京都の実権を握り、2095年には政府の後押しを受け、東京都をUKT独立自治区に改編されクニを運営することなったのだ。 UKT株式会社の三浦観音社長は、2098年年末に突如として「高DNA保護法」と「公序良俗健全育成法」、「男女交友禁止法」を発表し、2099年自治区の全住民を対象にDNA健全化と管理ナンバーの腕輪をつけたアンドロイド以外の住民の男女の私的交友禁止を実施した。しかし、三浦観音の一人息子、海斗は禁止されていた管理ナンバーを外したアンドロイドと人間が交流することができる喫茶店「じゆう」に入ってしまった。

(海斗・蓮華・空シリーズ)

「UKT帝国」 シナリオ

本当に好きなのは

とある花屋にて。何かが起こる気がする、そんなお話。

(海斗・蓮華・空シリーズ)

「本当に好きなのは」 シナリオ

愛のカタチ

100年後の日本では全人類の体内にICチップが埋め込まれている。そのICチップにはその人の全ての情報がインプットされている。主人公の小田川 みなみはICチップ管理局である「H&C」に勤めており、みなみは残りの寿命をデータで管理し通告する部署に所属している。そんな中、みなみの恋人・風間 蓮の名前が余命1ヶ月と表示されているのを見つけた。戸惑うみなみ。彼女の取った行動とは…!?

「愛のカタチ」 シナリオ

あつくんの彼女

あつくんは、21年間彼女がおらず愛に飢えていた。そんな中出会い厨魔太郎の策略とVR技術の発展により 仮想空間の女の子みちかに恋をする。

「あつくんの彼女」 シナリオ

一度きりの恋愛

100年後、技術が革新し、惚れ薬がちまたで流行する。しかし、惚れ薬を飲ますことができるのは1回だけ。しかも惚れ薬を飲ませた相手と必ず結婚しなければならない。(惚れ薬を所持できる対価として)そんな中、主人公 裕典は昔、想いを寄せていた元カノ れなに惚れ薬を飲ませようかと葛藤しながら「自分にとっての運命の人とは誰なのか?」考えるストーリー。

「一度きりの恋愛」 シナリオ

 


課題の作例

夢と知りせば覚めざらましを

太郎は近頃、VRバールで出会った謎の少女のことが気がかりで、恋人の花子と会っても上の空である。ある日太郎は父から不思議な話を聞かされる。若くして死んだ父の母親が残したクラウド上のテキストが、少しずつ増えているというのだ。

「夢と知りせば覚めざらましを」 シナリオ

講評会

木場明義氏(イナズマ社・映画監督)による講評会で、以下の作品が受賞した。(2018年7月5日)

「maclay」森田英暉 SF賞
「VRなんて絵空事」伊藤匠 ストーリー賞
「ラブレター」三上拓成 ラブ賞