戦略
2009年に東大情報学環で議論された《ぬ》を、人工知能の話題がうずまく2016年、ムサビ基礎デザインで再起動する。(情報学環での議論はこちら)
《ぬ》の感覚や知性の特徴を仮説として設定し、それに基づき芸術作品を作る。あるいは仮説に基づき人間向け作品の翻訳(ぬ訳)を試みる。以下ブレインストーミングで提出された仮説+作品(ぬ様式)の作品プラン。
- 「《ぬ》の言語は無限に深い構文の入れ子を作ることができる」という仮定で、過去の短編小説をぬ訳する。
- 「《ぬ》の心臓はロータリーエンジンでハートビート(ドキドキ)がない」という仮定で、《ぬ》のリズム構造に基づく音楽を作る。
- 「《ぬ》は反復図形が見えない」という仮定で、テキスタイルデザインを作る。
- 「《ぬ》は♂♀のほかに第三の性別がある」という仮定で、人間の恋愛ドラマをぬ訳する。
- 「《ぬ》は単性生殖である」という仮定で春画の魅力を伝える。
- 「《ぬ》は素数個の図形に反応する」という仮定で、絵を描く。
- 「《ぬ》の色覚は赤緑青3原色ではなく100原色である」という仮定で絵を描く。
- 「《ぬ》は時間軸でなく空間にドラマを感じる」という仮定で、RPGをぬ訳する。
ぬ様式作品の例
仮説
人類は効率を求めるため、A地点からB地点の最短ショートカットに道を作る。「ぬ」は道そのものが目的で、A地点からB地点を結ぶ道は長ければ長いほどよい。
作品
迂回が好きな《ぬ》都市の道路地図。
作品例(Ramblers)
仮説
《ぬ》にとって水平・垂直は神聖で、やたらに直角を作ってはいけない。
作品
長方形や格子を排した書物
作品例(蜘蛛の糸)
スケジュール
- 2016年11月26日 仮説と作品プランからなる企画書を各自が作り、回覧し検討しあいます。
- 2016年12月17日 制作日。作品プランを実装します。WEB公開を前提にした画像、PDF、動画などを提出。
- 2016年12月24日 多様決コンペ。講評。
エントリー
制作に入る前に各プロジェクトのエントリーフォームを提出し、「GO」をもらってください。
そのとき、ざっと制作プランを説明してください。
- 参加者名(一人 or 3人までのグループ)
- プロジェクトタイトル(仮)
- 提出フォーマット(予定)
提出物
1)作品
フォーマットは以下から
- 画像(jpeg)
- 動画(mp4)
- 現物(イラスト、立体、インスタレーションなど)
(現物、PDF、そのほか特殊なファイルなどの場合は、web化、展示について要相談)
2)付属テキスト
- プロジェクトタイトル
- 《ぬ》の特性に関する仮説(なるべく200字以内)
- 作者名リスト1(web用。本名を出したくない場合はハンドル名などで)
- 作家名リスト2(コンペ用。かならず本名で)
- 提出作品が何であるか(フォーマット、ファイル名など)
- そのほか連絡事項(あれば)
3)サムネイル
コンペ用シートに貼るサムネイル1枚。
(大きい画像で構いません。作品が画像の場合は不要)
注意
17日18時半までに、作品を提出してください。
画像など小さいファイルの場合(20Mバイト以下)
作品ファイル、サムネイル画像ファイルをメールに添付して送る。
付属テキストは、メールの本文で。
大きいファイルの場合
手渡しか、研究室経由。
付属テキストとサムネイルは作品と同じフォルダに。
現物の場合
手渡し、研究室経由など、要相談。作品はweb用に撮影します。
付属テキストとサムネイルはメールで。
メールの宛先 安斎まで
toshihiroanzai(at)gmail.com (atは@に変えて)
提出がうまくいかなかった場合は、研究室の市川さんに相談してください。
提出された作品については、20日まで作品の修正をメールで受け付けます。
多様決コンペ
24日は、各プロジェクトをウェブ上で鑑賞。その後、各プロジェクトのシートをテーブルに展示し、シールを貼りあうことでコンペを行います。
多様決コンペでは、全員にひとつ1万円の「いいねシール」と「やばいねシール」をそれぞれ3枚づつ配給します。この6万円を、自分の気に入ったプロジェクトに貼っていきます。自分のお金だと思って、本気で投資してください。(自プロジェクトへの投資と、ひとつに対して複数枚投資することは禁止)
集まったシールを集計し、(いいね+1)×(やばいね+1) の式で得点を算出します。(例:いいね3、やばいね4なら、20点)。「いいね」だけ、「やばいね」だけ集めても得点になりません。多様決について、詳しくはこちら。
グランプリ決定後、クリスマスを兼ねて乾杯します。1ドリンクを各自持参。