阿武隈川を船で下っている。対岸の層模様は昨日の豪雨がつけた水位の痕跡。層が半透明でその向こうをRが舟の速度で走っている。
川下りの折り返し地点に、ドーナツ状の籠を重ねた遊具がある。円筒は上の層ほど速く回っている。層ごとに遠心力で張り付いた人がいる。写真をとると、上の層ほどぶれて透明に見える。
(2016年7月5日)
阿武隈川を船で下っている。対岸の層模様は昨日の豪雨がつけた水位の痕跡。層が半透明でその向こうをRが舟の速度で走っている。
川下りの折り返し地点に、ドーナツ状の籠を重ねた遊具がある。円筒は上の層ほど速く回っている。層ごとに遠心力で張り付いた人がいる。写真をとると、上の層ほどぶれて透明に見える。
阿武隈川の河川敷に履き捨てられた無数の靴を、何人もの若者が上流に向かってゆっくり蹴り飛ばしながら移動している。あおいきくさんの実家を後にして、月明かりも街灯もない真暗闇の田舎道を川に向かって降りてきた僕たちは、いきなりその一群に出くわした。仲間の一人が、驚いた拍子に若者の一人を射殺してしまった。若者たちはいっせいに隠し持っていた銃を僕たちに向けるが、引き金を引かない。そのかわり、靴を上流に蹴り飛ばす人の流れの一部になれと迫る。
押すように雨の降る安達太良山中で、竹の姿をした二頭の牛を導き、いっきに駆け下りようとする途中、一頭は脱落して見失い、もう一頭は急な段差に怖気づき固まってしまう。もう先頭を争うこともないから、と優しく肩を貸してやると、竹は肩に足をかけて奮い立ち、阿武隈川を目指して駆け下りていった。