rhizome: 原田康徳

リアルビスケット

全身黒タイツに髭の原田さんが、スクリーンの前で踊っている。動きが怪しい。原田さんの形に添って、ビスケットオブジェクトが逃げたりくっついたりする。「本当はこれがやりたかったんですよ」と原田さんは満面の笑みを浮かべる。

(2016年2月22日)

地図ワークショップ

斜面に並ぶアトラクションをひとつひとつ攻略し、パルテノンの丘を登りつめると、そこにはMYSTで見た池が広がっている。ボートを漕ぎ出し、いくつかある桟橋のひとつを選ばなくてはならない。
桟橋Aに足をかけると、その拍子に船が離れてしまう。しかたなくたどりついた桟橋Bは、そのあと豪雨の森が待ち受けていている。Aがいちばん楽だったと原田さんが残念そうに言う。
ずぶ濡れのまま階段席いっぱいマッサージチェアが並ぶ会場で空席を見つける。厄介な機械式ロックを開けるのに手間取っているうちにカウントダウンが始まり、一斉にはじまるマッサージのチャンスを逃してしまう。
原田さんが、シール状の地図を使ったワークショップを始める。地形シールをはがすと地図記号が現われる。いや記号をめくると地形のほうがいいんじゃないのか、と反論すると、いつもの長い議論が始まる。

(2014年5月6日)

さえずりカード

twitterのつぶやきがカード状の物体になっていて、出現したり消えたりするたびに感情がわきあがる仕組みになっている。どういう原理を使っているのか、なかなかわからない。見る方向によって感情が違うのがヒントだよね、とviscuitさんが言う。
天井の高い体育館でミサが始まる。中継ブースのあたりで、車椅子の男のケータイ着信音が鳴り止まないので、スタッフが車椅子を外に押し出そうとしている。
いさかいが苦手な僕と僕の友人の小さい生き物は、隣の部屋に隠しておいた小箱から濃縮ジュースに関する秘密文書を取り出し、ジュースの仕組みについて技術的な相談を始めた。小さい生き物は、感情をオブジェクトにしないから不愉快が生まれるんだ、と言う。

(2010年1月7日)