rhizome: 透明な球

のど飴の山

なほみさんがオリンピックの司会をしている。僕は何も手伝うことがないので、搬入のトラックが雪のわだちにすっぽり埋まっては這い出すのを見ている。休憩時間になってなほみさんが喉をからしているので、のど飴をとってくると言うと、必要ないと言う。遠慮しているのか本当に要らないのかわからないまま、裏山の頂上にある緑色の透き通った球体を取りにいくために、登山道を登り始める。

(2015年5月5日)

CG学会の宴会

竹内君が持ってきたその作品は直径20cmほどの魚眼レンズで、覗き込むと中に黄色い草原があり、黒い老学者がくるくる回りながらそこを渡って行く。作品にはカタカナのエキゾチックな名前がついていたが、思い出せない。
温泉宿で行われているCG学会の宴会はところどころ強いライトがあたっていて、人間が干物のように乾いてしまう。みな口ぐちにこんな照明の設定はやめるべきだと言っている。しかし光が弱いと魚眼レンズの暗闇に沈んでしまうのではないか、と反論する男もいる。

(2014年10月24日)