1996夏 ステラ たどりつけない
渋谷に行くつもりで改札を出ようとしている。
手には切符を持って歩いている。
気が付くと、そこは改札の外の暗い夜道。
でも改札を出たおぼえもなく、手には切符も持ったままだ。
自分で「ここは絶対調布だ!」と理解する。
確証はないが、どうやら調布の住宅街らしい。
自分がどこに行きたいか、わからないけど「いかなくちゃ、いかなくちゃ」と
非常に焦ってくる。
手に握った切符は、汗にまみれてくる。
が、自分の今いる場所を見失ってるので、とりあえず住所がわかるものを探
す。
「あ、あそこに住所が表記されてるハズだ」と遠くから電柱を見つけるが、自
分では「ちゃんとした住所が書かれていない」という予感が大。
駆け寄ってみれば、案の定だ。
「○×市△△町」という具体的な表記を期待していたのに、見れば「市市市市
町町町町」と書いてある。
ガクッ!
どうしよう、これから改札に戻りたい・・・と汗まみれて夢は終わり。
(よくある紺色の金属プレートに、白文字で浮き上がった「市市市市・・」が目
覚めた後も妙にリアルなカラーバージョン。)
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