1996/09/18  能登 耳の肛門



(夢) 日帰りでの上京、最後に使った交通機関のタクシーは、東京の大きな交差点で 曲芸の様な方向転換をする。赤信号で向かいの車線まで行ってしまって止ま り、そのまま真っ直ぐではなく90度にバックするのだ。それで信号を一つ待た ないで済んだ。しかし、タクシーはフロントボデーもサイドボディーも殆どな い剥き出しの状態で、しかも運転席は後ろにあり、僕が矢面に立たされてる感 じだ。実際に事故の可能性もあるので、これではゴーカードより恐い。シート ベルトを慌てて掛ける。上野に用事のある僕は、一つ手前の駅までタクシーで 行ってもらったが、実際には走る距離は殆ど無かった。料金を払う。運転手は 僕の掌の小銭から、最近はチップのマナーを知らない奴が居るんだとか何とか 言いながら、勝手に4〜5百円チップとして取ってしまった。腹が立つより自 主的にそうすれば良かったと少し反省しながら、僕は東京に居た時には余り馴 染の無い、しかし、隣が上野である事は間違いの無い駅の改札口に入る。キッ プを買わないで乗車証明券、それはどういう訳か二枚出た、を取ってホームに 出る。ホームの壁に、何処か地方の川を利用した 美術展のポスターが貼られて いる。川に浮かべられた彫刻は、節々が動くようになっている木製の蛇の玩具 の様な感じのもので、一点を固定されたそれが、川の流れによって刻々と形を 変える。ポスターなのに動くそれを僕は見ながら、面白そうだがそれを見に行 く時間はちょっと無いだろうと判断する。電車が来た。少し焦り、工事の鉄骨 の間を縫ってやっと乗り込む。ホームでは混んでたのに、中は意外に空いてい る。僕は座る事が出来た。座ると緊張間が解放され一挙に疲れが押し寄せた。

僕が居るのはソープランドの個室だ。僕の相手は少し崩れた感じのする若い男 性で、タレントのヒロミの様な雰囲気、勿論僕らは話しをするだけで何もしな い。僕たちは壁沿いのソファーに座っている。彼が後ろのカーテン代わりの暗 幕を上げる。窓の外は1メートル程の間隔で隣りのビルだ。少し上方の窓から 若い男性が見ていて、僕と目が合いドギマギしている。僕は彼に手を振る。僕 が頼んだサービスがやっと来た。それは中年太りの始まったパンチパーマのヤ クザっぽいいかつい男性だ。男性はお姉言葉を使う。僕は確かに男性のマッサ ージサービスを頼んだけれど、そんなに考えての事では無かった。そのサービ スは同性愛者の利用するサービスだったらしく、僕がそうではないと知って、 逆に彼らが困っている。ちょっとだけ試しましょうかと、その男性が言って、 やにわに僕のパンツを下ろし、手でぶるぶるぶると振ってみる。同性に見ら れ、しかも触られるなんて、こんなに恥ずかしい事はない。僕は気持ちも体も 縮み上がっている。どんなサービスを期待していたのかと聞かれ、逆に僕は戸 惑う。確かに何かを期待していたのだが、どうも上手く言えないし、また言う 積もりもない。もう時間だから、もう良いからと、僕は服を着る。その部屋に はいつのまにか数組の客が来ていて店の女の子のサービスを受けている。店の 子は羽衣を模したような薄い青色の服、というより帯に近いものををタスキの 様に体に巻き付けている。それが皆良く似合う。しかも綺麗な娘ばかりだ。先 ほどのカーテンがまだ開いたままだと気付くが、ま、良いか。僕はソファーに 座って居る。隣にはタレントの渡部と久本が居る。久本が渡部に、店の女の子 達は皆耳の肛門の形が似ている、と言う。耳の肛門?耳の穴の事だろうか。耳 そのものは皆確かに似てると思うけれど、耳の肛門って、一体どこだ? (〜夢)

耳の肛門って、耳の穴の事ならわざわざ字数の多い肛門なんて言い換えはしな いでしょうから、耳の穴以外の・・・何処かなぁ。

                  能登



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