1996/07/24  笠井嗣夫 夢の断片


 電車で釧路の町に来た。小さな駅を出ると,黄色や赤の紙に表示された「沢 町」とか「**町」というような町名がいくつも電線にはりつけられて風にパ タパタしている。寺山修司の映画にこんな場面があったと思いながらすこし見 ている。知人の家の方に歩いていこうとして,彼は最近,家を新築して引っ越 したんだということを思い出す。あたらしい住所がわからないから彼の家には いけない。どこにいこうかと迷っているうちに,気がつくと950円の切符を 買ってまた駅のホームで帰りの電車を待っている。あたりはぼうっと霞んでい る。うすよごれた古いディーゼルのような電車が来て,乗ると間もなく,あっ まだ昼を過ぎたばかりなのにあわてて帰る必要はないんだ,5時まで町を見な いとせっかく遠くまで来たかいがない,とあせってすぐに電車をおり改札に向 かうが今買ったばかりの950円の切符はどうなるのだろうと心配になる。



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