まだ、水が出ないようなので外へ出て上野の山のような所へいく。大勢が観光客 むけの大きなレストラン(精養軒みたいな所)に避難する。そこにいる人々の 気持はノアの運舟に乗り合わせたような感じだ。東京はパニック状態。しかし 3時間くらいたっても大水は来ない。夕方になって山手線が動いているのが レストランのバルコニーから見える。
Pと二人で公園の方へ歩いて行く。団体客が沢山いる近くの花壇に腰を降ろ してパンを食べていると、警官がやってきて「怪しいやつらだ、こっちへこい」 と言われてひっぱられてしまう。大きな声で抗議するがダメ。その警官は私服 だったのだが、私たちを連行する途中、自分の家の前を通り、大勢の子供たちが 中で寝ているのを確かめる。夏の網戸の向うで子供たちの足の裏が見える。 警官に「嫁さんに逃げられて大変なんだ」という苦労話しをひとしきり聞かさ れた後、我々は解放される。その家のある通りの坂を登るとそこは神社で中国系 のメシ屋がある。そこに入るが知った顔は一人もいない。昔はここへくれば 知合ばかりだったのに、政情不安でみなどこかへ行ってしまったのだ。悲しくて 私はその場で大声で泣く。(終わり)
一応3つの夢に大水=世紀末というイメージが貫かれているのが、私の夢として は珍しいです。