旅先の富山で、流れる雲の隙間から陽がこぼれる奇跡的な気象条件に誘われ、バスの仲間から離れて町をさまようと、剥げてめくれた塗装が躍る質屋や、バレーコートにだけ陽のあたる校庭の人影など、数えきれないほど不思議な写真を撮る夢を見ている。
(2017年5月15日)
旅先の富山で、流れる雲の隙間から陽がこぼれる奇跡的な気象条件に誘われ、バスの仲間から離れて町をさまようと、剥げてめくれた塗装が躍る質屋や、バレーコートにだけ陽のあたる校庭の人影など、数えきれないほど不思議な写真を撮る夢を見ている。
Mが身籠った、とNが言う。Nは、父親は私自身だと言う。しかし君は女じゃないか。するとNは、間接的にあなたが父親だ。だからMと一緒になれと言う。
ほとんど初対面のMと、どうしてやって暮らしていけるのか自信がない。Mとぎこちなく校庭を歩く。競技場の真ん中にあいた小さいオーケストラピットから指揮棒を空に繰り出すが、穴が深すぎて誰の目にもとまらない。
校庭のトラックをぼんやり白線沿いに歩いているうちに、頭に綿毛のついた打楽器のバチを拾った。いつのまにか校庭でやられていた大会は終わり、撤収が始まっている。どこかにマリンバやティンパニのある部屋があった。そこにバチを返さなくては。しかし軒を並べた部屋はどこも体育会系で、音楽部が見当たらない。NHKの取材班が、大会の時間を午後と勘違いして今頃やって来る。大会はとっくに終わったと告げると、内輪もめが始まる。