土でできたスタジアムのカルデラ外縁を歩きながら、すり鉢の中で遊んでいる子供たちが投げ上げたボールを拾う。投げ返すつもりが、外側の壁と道路の隙間に落としてしまう。狭い隙間に降りると、管理のおじさんたちから「安斎さん」という付箋をつけた袋を渡される。そこにはかつて自分が隙間に落としてしまった五百円玉などがたくさんつまっている。
(2016年5月15日)
土でできたスタジアムのカルデラ外縁を歩きながら、すり鉢の中で遊んでいる子供たちが投げ上げたボールを拾う。投げ返すつもりが、外側の壁と道路の隙間に落としてしまう。狭い隙間に降りると、管理のおじさんたちから「安斎さん」という付箋をつけた袋を渡される。そこにはかつて自分が隙間に落としてしまった五百円玉などがたくさんつまっている。
最新式のグローブを手渡され、サードを守ることになるのだが、三塁ベースは山の頂上にある。グローブの中に仕組まれた機械の仕組みがわからず、どうしても小指の穴が足りない。ボールを高く投げてフライを取る練習を始めると、取りこぼすたびにボールは斜面から落ち、登ってくる人がボールを運んできてくれる。
ボーリング場のボールは、重さと指の穴の大きさが比例関係にあるので、僕の指に合ったボールがどれもこれもとてつもなく重いのが気に入らない。外光の差しこむレーンの前でぶつぶつ文句を言っていると、皮をはぎ合わせて作ったバスケットボールのようなものをふと手に入れる。指をつっこんでみると、この軽いボールはだぶだぶしていてとてもピンを倒しそうにない。
傍らにいる男の子の腕に黒い毒蜘蛛がとまっているので、回し蹴りでその蜘蛛だけを思いきりアタックすると、蜘蛛は空中高く舞い上がり、ブーメランの軌跡を描き、再び少年の腕の同じ位置に正確に戻ってきてしまう。