中村理恵子/Rieko NAKAMURA
アーティスト
1992年〜ネットワークを使ったCGの連作「連画」を始める。1994年/IMAGINA'94(仏)招待講演、SIGGRAPH'94(米)入選。1995年/マルチメディアグランプリ'95ネットワーク部門アート賞受賞。1996年/ネットワークアートシアター[連芸座]のプロデュース。1997年/「PrixArsElectronica97」(オーストリア)入選。1998年/MMCAのコンテンツ支援事業として採択された『連画メソッドの応用実験』をプロデュース。1999年3月15日、連画環境支援システム「TheWALL」と3つの連画セッションを公開。
■今回のイベントについて
ずっとずっとこの日がくるのを心待ちにしていた。“絵ことば”プロジェクトが始まった当時(1997年、春)、とっても孤独だった。自分が作ったアトムをころころ組んであわせて重ねてみても、すぐ飽きてしまう。そもそも日常的にディテールをつなぎあわて絵を創ることをしない。今回自分のも含めたアトムたちは、彼らが個人で仕上げるタブローとはもちろん違う。しかし、そのひとつひとつのアトムを繰っていると、尊敬、否定、同調、誤解といったなどさまざま感情が、あまり経験したことのない質感、触りごこちとなって沸き起こる。
日常的な創作の途中、避けようとおもってもつい踏み入れてしまう自分のよく知った世界。これに退屈してしまうことがよくあり、打開し更新をしつづけてゆくのも楽しいことだが、自分の創意からは生まれないまったく違う地平をひょいとみせてくれる今回のセッションにおいて、間違いなく自分が拡張してゆくのを感じた。しかし、まだどこか窮屈で、どこか満たされないところはある。時間的な制約なのか、ソフトの振る舞いなのか、あるいは、まだまだアトムが足りないのか、いや、やはりコンポジションに行き詰まるくらいに自分がやれてないということだろう。
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