広いグラウンドのフェンスの縁に体を押し付けて寝ている。突如、巨大な鳥の形をした飛行機の長い首が空に現れ、ゆっくりと倒れかかってくる。これは訓練かなにか通常のことなのだとわかっているのだが、逃げようかどうか体が迷っているうちに、その乗り物は思いきり頭を地面に叩きつけた。人は乗っているのか、これが訓練なら命がけだ。ダチョウの頭にある操縦席を見やると、ヘルメットをつけた二人のパイロットの片方が、一瞬こちらを見て合図を送ってきたような気がする。
(2011年1月24日)
広いグラウンドのフェンスの縁に体を押し付けて寝ている。突如、巨大な鳥の形をした飛行機の長い首が空に現れ、ゆっくりと倒れかかってくる。これは訓練かなにか通常のことなのだとわかっているのだが、逃げようかどうか体が迷っているうちに、その乗り物は思いきり頭を地面に叩きつけた。人は乗っているのか、これが訓練なら命がけだ。ダチョウの頭にある操縦席を見やると、ヘルメットをつけた二人のパイロットの片方が、一瞬こちらを見て合図を送ってきたような気がする。
踏切近くの操車場に、骨付き鶏もも肉を巨大化した塊がふたつ、スーパーのパックから落ちこぼれて放置されている。近づいて見るまで、それが皮を剥れた恐竜であることに気づかなかった。ふと片方の肉塊が長い首をもたげ、落ちているもう片方の肉塊の頭部を咥え上げると、草食の首長竜を胴体とし、肉食恐竜の大きな頭が乗ったキメラが立ちはだかり、虚ろな目が僕を見ている。