rhizome: 毛糸

性教育バス

家に電話をかけると、nanayoが裾の長い毛糸のカーディガンを着て尋ねてきていると言う。そのまま待ってもらうことにして、僕は『SASAS』という彼女の自伝的小説を読みながら帰途につく。露骨な性表現は白く伏せ字になっているが、ルビだけ残っていて、そこで何が進行しているのかルビ越しに把握できる。バスに性教育学校のご一行が乗ってきて、オナニーちゃんオナニーちゃんと呼ばれ「はーい」と答える子供がいるので、保育士がその呼び方を咎めるだろうかと見ていると、思ったとおり誰一人気に留めるものはいない。

(2008年10月3日その2)

下着選び

なにかの企画で下着一枚の写真を撮られることになり、自分にふさわしい一番いかした選択をしなくては、という気持とは無関係に真っ赤なトランクスなどを選んでいる。自分らしくないことが好きな自分は自分らしいだろうか、という思索をめぐらせながら、手袋に紐をつけたような毛糸のペニスキャップを手が勝手につかんでいる。

(2005年5月23日)