中央線中央駅の見晴のよいホームで、若い車掌が「オレンジ色の現車両より、黒い旧車両が好きな方は波動式その場飛びでご協力ください」と、車掌しゃべりで言う。小刻みに飛びつつ、これがはたして波動式その場飛びなのか疑問に思いながらも黒い旧車両に乗り込むと、木の床は泥水につかったままところどころ破れた座席に戦災孤児が眠っている。
(2014年8月28日)
中央線中央駅の見晴のよいホームで、若い車掌が「オレンジ色の現車両より、黒い旧車両が好きな方は波動式その場飛びでご協力ください」と、車掌しゃべりで言う。小刻みに飛びつつ、これがはたして波動式その場飛びなのか疑問に思いながらも黒い旧車両に乗り込むと、木の床は泥水につかったままところどころ破れた座席に戦災孤児が眠っている。
竹内郁雄氏一行を乗せたトラックの荷台に乗りそこねてしまったため、僕はひとり遅れてレストランにたどり着くと、彼らはすでにテーブルに直接拡げた食い物を手で掬い上げては頬張りはじめていた。ここは皿とテーブルが、まだ分節化していない。
外は海外のストリートチュードレンを日本に紹介する祭りの最中で、切り立った斜面に挟まれた道は、招待されたにしてはあまりに多すぎる家のない子供たちであふれている。足をぶらぶらさせながら土手に腰掛けている少年たちが、笑いながら手を振っている。