1997/01/26 Yoshiko Sekiguchi 会社に遅れる夢



(夢)会社に遅れそうになっているのに、通勤バスは渋滞の中にいた。そこ で私は近道の別のバスに乗り換えて急ぐことにした。別のバスははじめ て乗るので、ルートがよく分からない。それは、銀座を一周してから、 八王子のほうへ向かうバスなのだが、その途中で私の会社の近所を通る はずなのだ。 まあ、回りの景色を見て、会社に近そうなところで降りようと思ってい たのだが、バスはどんどん会社とは別方向へ向かっている。どうやら、 すでに八王子から青梅へ抜けて、飯能へと向かおうとしているようだ。 あたりは山に囲まれ、道のまわりは人家もまばらな畑になってしまう。 どこかで遅刻することを会社に電話しないといけないが、建物はひとつ もみあたらない。 そのうち、空はにわかに掻き曇って、稲妻がはしったりしはじめた。山 の向こうで雷鳴がとどろいている。時間は、もうお昼をまわっている。 ふと、道端にガソリンスタンドがあるのをみつけ、次の停留所で降り、 そこで電話を借りることにした。しかし、スタンドは閉まっていた。 雨の中をしばらく歩いていくと、お寺があった。お寺のわきにはなんと 電話ボックスもあるが、それはは山をくりぬいたトンネルの中にある。 あやしいと思って上を見上げると、トンネルの上はやっぱりお墓になっ ているのだ。
真っ黒な雷雲の下に並ぶ墓石がぶきみなので、とりあえず雨が上がって から電話をしよう、それまでお寺で休ませてもらおうと、お寺の中には いると、そこではお坊さんが畳の上でエアロビクスのレッスンをしてい た。生徒が8 人ほどいて、その人達が言うには、とても厳しいレッスン なのだそうだ。
ふつうのエアロビクスと、HIPHOPダンスエクササイズとどっちがいいか、 と50代半ばのお坊さんに聞かれるが、どっちにしても同じ10畳間の畳の 上で、ひとりのお坊さんが一人一人の生徒にレッスンするので、満足に はいかない。
2時間ほどそのレッスンに付き合っていると、外では雨が上がり、真っ 青な空が顔をのぞかせていた。太陽の光に照らされた墓石群を眺めなが ら会社に電話したら、今年の新入社員のK子が電話口で怒っている。 いまどこに居るのか、なんでまたそんな田舎行きのバスに乗ってしまっ たのか、何時ごろ出社できるのか、それとも今日は休むのか。10歳以上 も年下の後輩に問い詰められているのに、私は一つも答えられない。そ れどころか、帰りかたがわからないので、明日も行けるかどうかわから ないのだが、そんなことは先輩としてとても言えない。
ほんとうに何でそんなバスに乗ってしまったのだろうか、ただ近道をし たかっただけなのに。

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