踏切近くの操車場に、骨付き鶏もも肉を巨大化した塊がふたつ、スーパーのパックから落ちこぼれて放置されている。近づいて見るまで、それが皮を剥れた恐竜であることに気づかなかった。ふと片方の肉塊が長い首をもたげ、落ちているもう片方の肉塊の頭部を咥え上げると、草食の首長竜を胴体とし、肉食恐竜の大きな頭が乗ったキメラが立ちはだかり、虚ろな目が僕を見ている。
(2001年10月28日)
踏切近くの操車場に、骨付き鶏もも肉を巨大化した塊がふたつ、スーパーのパックから落ちこぼれて放置されている。近づいて見るまで、それが皮を剥れた恐竜であることに気づかなかった。ふと片方の肉塊が長い首をもたげ、落ちているもう片方の肉塊の頭部を咥え上げると、草食の首長竜を胴体とし、肉食恐竜の大きな頭が乗ったキメラが立ちはだかり、虚ろな目が僕を見ている。