幸村さんが、宇宙エレベーターより簡単に宇宙へ行く道を見つけたと言って、大型ドラム式洗濯機の蓋を開け、江渡さんといっしょに宇宙へ旅立った。しかしあまりに普段着なので、世の中の反応がいまいちなのだという。東大の博物館で待ち合わせた木原さんとあれこれ広報戦略を練るが、結局このままでいいと言う結論に至る。
(2015年9月25日)
幸村さんが、宇宙エレベーターより簡単に宇宙へ行く道を見つけたと言って、大型ドラム式洗濯機の蓋を開け、江渡さんといっしょに宇宙へ旅立った。しかしあまりに普段着なので、世の中の反応がいまいちなのだという。東大の博物館で待ち合わせた木原さんとあれこれ広報戦略を練るが、結局このままでいいと言う結論に至る。
木も人も家もなにもないイラン高原を歩いていると、突然眼下に崖が切り込み、おいしそうな食べ物の匂いが立ち上ってくる。崖の中腹に嵌め込まれた金魚鉢の内側で、久米姉妹が浴衣を着て日常生活を営んでいる。僕は彼女たちとともにガラスの内側にいて、外の男たちを軽蔑している。崖の底では小さいカラフルな象たちが、泥まみれになって遊んでいる。学ランを着た長身の男が池のほとりに倒れこみ、そのまま平面化する。
中国の戦争博物館では、血でぬられた壁がいくつも展示されてるという。しかし、匂いに気をつけたほうがいいと久米(姉)からアドバイスを受ける。展示室のひとつに入ると、水墨で描かれた葉に血で塗られた赤い花を敷き詰めた美しい模様が一面に描かれていて、息ができないほど血なまぐさい。