布団列車

電車に乗って、都心に帰ろうとしている。台車だけの電車は、すし詰めの旅館のようで、進行方向を向いた布団、垂直に並んだ布団、斜めに雑然とした布団などが敷き詰められている。囲いもないのに、誰も落ちない。きっとこうして目的地に到着するまで寝付けないのだろう、と思いながら、掛け布団にもぐりこんでいる。

(2001年11月30日)