駅西口の坂を登りつめた行き止まりの正面に、教室ほどの大きな厨房がある。持ち帰り用の窓から真理子さんと店の中を覗くと、料理人が黒い膜のようなパンを中華鍋の裏面に貼り付け、次々と焼いている。火が通るとパンごとに違う模様が現われ、膜の表面に違う場所の風景が広がる。風景のすべてのバリエーションを収めようと思いカメラを構えるが、数枚焼き終わったところでパン種が切れてしまう。しかたなく店内の調理器具にカメラを向けると、みなカンブリアンの樹につながる奇妙な形をしている。
(2015年3月21日)
駅西口の坂を登りつめた行き止まりの正面に、教室ほどの大きな厨房がある。持ち帰り用の窓から真理子さんと店の中を覗くと、料理人が黒い膜のようなパンを中華鍋の裏面に貼り付け、次々と焼いている。火が通るとパンごとに違う模様が現われ、膜の表面に違う場所の風景が広がる。風景のすべてのバリエーションを収めようと思いカメラを構えるが、数枚焼き終わったところでパン種が切れてしまう。しかたなく店内の調理器具にカメラを向けると、みなカンブリアンの樹につながる奇妙な形をしている。