すっかり傷んだフローリングの床は、ところどころ体重を支えきれないほど危うくなっていて、うかつにたわんだ場所に足をかけると、すっぽり踏み抜いてしまう。床下には意外に深い空間があり、光が差し、冷ややかな空気が流れている。そこには真新しい床があるのだから、だったら一段降りて移り住んでもいいじゃないかと思う。
冷たい床下の床に、赤と白のまだらの蛇がいる。蛇を殺してはいけない。だから、ゴミ箱をそっとかぶせておくことにした。あとでゴミ箱の下に薄い板を差し入れ、そのまま板ごとずらして外に出せば、蛇に触れることなく蛇を逃がすことができる。
拳銃をもった男たちが雪崩れ込んできて、僕は拘束される。男がゴミ箱を持ち上げると、コブラのように頭をもたげた赤白の蛇が男を威嚇する。男がひるんだすきに拳銃を奪い、まんまと逃走に成功する。
蛇はやはり仲間なのだ。
(2000年9月25日その2)