1997/01/26 Rieko Nakamura 意外な夢
(夢)夢は意外なストーリー、意外な断片がいきなり飛び出してくるものだ。
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杏とわたしは、先日企画書を持ち込んだP社へ向かう。
大きな会社だ。
わたしたちは、存分にやりたいことをまとめた七色バラ色の企画書を先週届けてあった。応接に通されると、担当で前髪パーマのKさんがいる。ギロリといつになく気迫のこもった目をこちらにむける。
しかし圧倒的にいつもと風景が違うのだ。彼の他に数人の中年のヤリ手の社員、それに背広も着てない学生気分のぬけない若い社員が数人。それに契約担当という、たぶんこの中で一番の年長者がいる。
いきなり縦巻きの契約書が出てきた。
「へ?、いきなり契約ですか?」わたし言う。
「今度いらしていただくときには、それなりの結論をお出しすると申しました。」
前髪パーマ言う。
(でもなぁ、、意外だなぁ。この会社にこういうセンス、決定の速度はないはずなのに、、)心の中でつぶやきながら、素直に喜べない私がそこにいる。しかし、同行した杏は、ちがう。縦巻きのために先頭がまるまってしまう契約書の端を押さえながら作成を手伝い始めた。見事ないままでみたこともない契約書の作成だ。
担当のオジサンは、万年筆を大降りに振り降ろして、まるで画仙紙に書き初めをするようなタッチで書き進めていく。
万年筆は、明るいペリカン社のブルーインクだろうか?空にかかる飛行機雲もようなあるいは、湖面に張った氷の上をすべるフィギュアスケートの軌跡のように流麗な筆跡を残していく。
しかし、内容がわらっちゃう。ほとんどは、以下同文の意味、右に同じの意味を示す「”」なのだ。そして、最後にいつもわたしの名前をでっかく書いてスクロールしていく。途中、なんと!杏も「”」を書くのを手伝っている。
見守る中年の社員は、この業界の専門誌を発行するN社のTさんソックリ。若い学生諸君!みたいな人々にもやっと興味がむいて、慌てて名刺交換しようとバックをさぐる。
「この会社も変わりましたね。」わたし。
「はぁ、そんなもんですかね?」学生もどき社員。
正夢って本当にあるのか?もし、これに近い結果が事実として交差したなら、後日かならずご報告しよう。)
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