1996/09/02 一色真理 お正月ゴジラ映画祭の夢
(夢)お正月にゴジラ映画のメモリアル上映をやっているというので、息子と見
に行く。息子はまだ小学生ぐらいの少年だ。映画館ではなく、レストランの
2階を使って、こじんまりと上映している。これがゴジラ映画のオリジナルの
第1作目らしい。その映画ではゴジラは時々人間の姿になる。フランケンシュ
タインの少年時代のような風貌の人間になったゴジラは空を飛ぶこともでき
る。ゴジラは本当は心やさしいが知能の少し足りない少年で、怪獣の姿にな
ったとき、自分ではそんなつもりはないのに、つい街や人間に被害を与えて
しまうのだ。そのゴジラが人間になったときの役を演じているのは、大学の
詩のサークルの一年先輩のO氏だ。人間になったゴジラはついおもしろ半分
に、民家に火をつける。だが、住人のおじさんがやめてくれというと、素直
にやめて、おわびに戦後の当時は貴重品だったウーロン茶をバケツに一杯持
ってくるのだった。
それから一年たって、またお正月にゴジラ映画の上映会があるという。今
度は妻もいっしょに3人で出かけることにする。乗換駅で待っているが、やっ
てくる真っ赤な色の電車はどれも行き先が違っている。気がつくと、ホーム
を間違えていたのだ。ぼくらは駅員が少ないお正月であるのを幸い、ホーム
から線路に飛び降り、また飛び上がって別のホームに上がり、やっと正しい
真っ赤な色の電車に乗ることができた。
電車は海の中を疾走する。海はすっかり干上がって、海底にはお花畑や草
原が広がっている。その美しい海底を走りながら、成城の住宅街を見る。も
のすごく古い民家が見える。やっぱりこのあたりは他の地域と違って、趣が
あるなあと思う。
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