1996/12/02  一色真理 大地震と疑似犬の夢



(夢)*その1 大地震
 高層ビルに囲まれたビルの中にいて、窓から外を見ている。突如、左奥に建 っていた高層ビルが崩れ落ちた。驚いて見ていると、ほかのビルも次々と崩壊 していくではないか。このビルにも何か硬いものが上から落っこちてきたよう な轟音が響き、驚いて振り返る。だが、崩れ落ちる気配はなさそうだ。大地震 なのだろうか。それなのに揺れていない・・・と思ったとたん、ビルの床が船 に乗っているように大きくローリングし始めた。窓から見おろすと、地上で立 ちすくんでいる何人もの女性たちが見える。

*その2 疑似犬
 会社でクセナキスの現代音楽を突然上演することになった。出演することに なったぼくは、クセナキスの分厚い本の栞をはさんだページを開いて、彼の奇 妙な楽譜を必死で読み込む。さあ、本番。出番が来て、ステージに向けて演技 をしながら歩き出したとたん、社員らしい若い男が玄関からぼくを呼び止めた 。しかたなく、ぼくは床を這うようにして、演技をするふりをしながら、玄関 から外に出る。  その男はぼくに「スポンサーの一家で巨大な風船を揚げていたら、それが爆 発して家が全焼した」と言う。それなら、このクセナキス上演の企画も中止せ ざるをえない。しかし、ぼくは会場にとってかえし、パフォーマンスを続ける 。パフォーマンスではぼくの操る小さな犬とも小人とも見える動物が活躍し、 女性たちに「かわいい!」と大人気だ。  パフォーマンスが終わり、ぼくは外の道路に出て、その動物を遊ばせる。動 物は屋台に駆け上がる。屋台には貧しい小学生くらいの年齢の少女が働いてお り、彼女は動物を見て大喜びだ。動物はどんどん道路を駆けて、向かい側の店 を覗いたりしている。ぼくは動物がどこかへ行ってしまうのではないかと、心 配でたまらない。ぼくは動物に「名古屋に今度遊びにおいでよ」と呼びかける 。そして「さあ、もう帰ろう」と言って、動物を手に乗せる。



「2本だて」リストに戻る