庭の右手の山はちょっとしたハイキングコースになっているらしく、老人たちが リュックに帽子というスタイルで往来している。道のわきは崖だ。しかし、見て いると山が徐々にくずれそうだ。危ないから、早く登り切るように下のみんなで 叫ぶと老人たちのグループは大急ぎで登り切る。なんだ、意外にみんな早足なん だなと思う。また、崩れると言われてあせった一部のオバさんたちが大急ぎで 降りてくる。何もこの期に及んで危ないなぁと思う。すると徐々に山が崩れてく る。といってもなんだか期待に反したへんな崩れかただ。始めて山くずれを 見る事ができると思って期待していたのに。実は山は土ではなく団ボールや布でできていたのだ。土を含んだ布袋の ようなふよっとした塊がはがれだしている。
駅のロビーのような所でこれから帰らなくてはならない。もう8時をまわる
ところだ。そこでふと思い出した。今日は勉強の補習の日でMさん宅にもう
先生が来ているだろう。ましてや勉強は7時からだ。急いで電話をしなければ
ならない。まず電話を探すと一つは女子高生2人が使っていてダメ。しかし
すぐに開いている電話を見つける。手帳を開けてMさんちの番号を探し10円
を探す。10円玉は沢山あるし手帳も開いた。しかし、なんだか興奮してかけ
られない。通行人も電話をかけたそうにしているが、私の様子を見て行ってし
まう。悪いなぁとは思うのだが。(終わり)