rhizome: 小説

性教育バス

家に電話をかけると、nanayoが裾の長い毛糸のカーディガンを着て尋ねてきていると言う。そのまま待ってもらうことにして、僕は『SASAS』という彼女の自伝的小説を読みながら帰途につく。露骨な性表現は白く伏せ字になっているが、ルビだけ残っていて、そこで何が進行しているのかルビ越しに把握できる。バスに性教育学校のご一行が乗ってきて、オナニーちゃんオナニーちゃんと呼ばれ「はーい」と答える子供がいるので、保育士がその呼び方を咎めるだろうかと見ていると、思ったとおり誰一人気に留めるものはいない。

(2008年10月3日その2)