自転車を走らせて高木の家に到着すると、自転車置き場に自転車を収納するように勧められる。マンホールのふたのようなものをあけると、乳白の液体が蓄えられていて、その中に自転車を浸しておくのだと言う。高木の娘が収納の仕方を説明してくれる。
しかし、自転車を完全に収める間もなく、再び自転車で家に戻らなければならなくなる。せっかくのパーティーに必須のなにかを、家に忘れてきてしまったからだ。謝って済まそうとすると、Rが執拗に「自転車で取ってきて欲しい」と言うので、彼女にとってそれが今日もっとも大事なこだわりだったのだと気付く。
遠方の自宅までどうやって帰れるのか、頭に地図が浮かばない。どこかわからないのに、坂をどんどん下りきってしまう。ここはどの駅の近くですか、とおばさんに尋ねると、中野、と言って遠方を指差す先に見えるのはまたもや坂で、ふたたび僕は坂を上り始める。
黒衣の黒人が、葬式の提灯の前に立っている。しかたなく店の裏口から入り、表から出ると、ふと自分がパンツをはいていないことに気づく。黒人があからさまにじろじろと股間を見ている。失礼な男だ。
(2000年9月25日その3)