マンションのエレベーターが、緊急時に限って垂直ではなく水平に動く話は聞いていたが、自分が乗り合わせることになるとは思っていなかった。突如電車のような横方向の加速度を感じるが、窓がないのでどこを走っているのかわからない。閉鎖系では人が人のタンパク質を摂るしかないので絶滅するしかなかった、という物語をタブレットで見ている同乗者がいる。
(2017年12月20日)
マンションのエレベーターが、緊急時に限って垂直ではなく水平に動く話は聞いていたが、自分が乗り合わせることになるとは思っていなかった。突如電車のような横方向の加速度を感じるが、窓がないのでどこを走っているのかわからない。閉鎖系では人が人のタンパク質を摂るしかないので絶滅するしかなかった、という物語をタブレットで見ている同乗者がいる。
大スクリーンのあるレストランで中村さん郁恵さんと食事をしていると、不意にスクリーンが観音開きになり、吸いこまれようとする郁恵さんの両足首を手で握れば、郁恵さんは浮いたままタイムトンネルの中を泳ぐそぶりで、ほぼマンガの光景になる。突如、音をたてて建物全体が移動しはじめ、バスの車窓と化したスクリーンはトンネルを抜け、建設工事中のマンションの敷地内にたどり着く。レストラン自体が売り出しマンションの販促ステルス宣伝であったとは気づかなかった。他の客たちが扉をくぐってモデルルームに向かうなか、われわれ3人はむき出しのコンクリートや鉄筋や配管など、そこいら中に潜むカンブリアンゲームのネタを撮影しはじめる。