1996/11/16  jaja 王女様と鳥



(夢)ある街にいる。イベントのために即席にこしらえられた街?または遊園地み たいなシミュラクルの街?とにかく人工的な街。久美ちゃんが一緒にいる。街 の一角に(その街をこしらえるために破壊された)古い街の廃墟が残っていて、 その地下室(壊れかけた・・・石や瓦礫でいっぱいになった)の奥の方に、古 い街で滅ぼされた一族のお姫様の幽霊が住み着いている。久美ちゃんには見え るが私には見えない。私は怖がっている。久美ちゃんは「まあしゃあないん ちゃう」って態度。そこから出て表へ行き、久美ちゃん「あたしの事務所から スクリーントーン持ってきて」、わたし「どのスクリーントーン?」 久美 ちゃん「抽出のどこそこを開けてNo.○○くらいの普通の目のやつで・・・」 わたし「うんわかった。行ってくる」といって、その街を去る。つまりわたし が久美ちゃんのアシスタントの役割。久美ちゃんはそのことを全然悪いと思っ てないみたいで当然のように私に用事を言いつける。私は「えっなんで?」っ て感じないでもないんだけど、まあ今は仕事が暇だしいいかって言いつけられ た用事やっている。
 それから妹(直子ちゃん)が来て、3人でまた例の地下室を覗きに行く。こっ ち(久美ちゃんと私)が何も言わないのに、「ああ何やってんの王女様、逃げな いと・・・」と奥の片隅を見ていう。ああやっぱり彼女にも王女様の幽霊が見え るわけだ。見える人には見えるんだなあと感心。わたしには依然として見えない。 直子ちゃんは彼女の幽霊に同情的。久美ちゃんは見えてるけど別に気にかけてい ない。私は見えないだけに怖がっている。
 それからビル(デパートみたいだったか)のなかのトイレを捜しに行って、わ たしがわざわざ奥のほうへ大きく回ると、奥の方にはバス付きの個室があったり、 その手前にはビデ付きの個室があったり、わたしは別に両方とも必要ないので普 通の個室に入ろうとするのだが、手前からだだだっとほかの人たちが入ってしまっ たので空いてない。で、ビデ付きの部屋に入る。するとビデしかおいてなくて便 器がないのだ。もうここでおしっこしてやろうかなんてエチケットに反したこと を考えている。と、後ろの個室との隙間(ちょうど刑務所の独房の覗き窓のよう になってる)からこちらを覗いて呼ぶ声がして、それが内田さんなのだ。「○○ さん(私のこと)何持ってきてる?」私はかばんをぶちまけて、だいぶ以前に入 れてよれよれになったポケットティッシュを引っ張り出す。「これだけだよ〜」 内田さん「そうか。(しかたないねみたいな調子で)ありがとう」。で内田さん、 個室の隙間を閉める。
 それから自分の部屋に戻る。部屋に帰ると、白と黒のすごくきれいな色合い (胴体が基本的に白の毛羽。頭と足のほうとか尻尾の先とかが黒になっていてツー トーンできれい。上品な感じ)で、しかし羽が半分濡れていて頭の部分がよれよ れになってて弱々しげな鳥が一羽いる。わたしはぴんときて、あの王女様の幽霊 が、あの地下室にいるうちに(生気を取り戻して)生き返ったんだ! (でもわ たしは何の世話もしなかったし、むしろ怖がってたんだけどな)
 どうしよ?でも、なんだかすごくいとおしくなってきてそっと手を出すと、鳥 も逃げない。両手の掌で胴の部分をそうっと掬いあげて頭をなでなでしてやると、 鳥もなんかうれしそうなのだ。わたしはこの鳥を飼ってやろうと決心する。少な くとももっと快復するまでは。
 冷蔵庫からパセリを出してちぎってみる。米ケースから米粒をそのへんにぶち まける。パセリのほうは匂いをかいでつついてみただけで食べない。米粒のほう は食べようとするのだがうまく食べられない。(小さい鳥なので口が小さいのだ。 それに弱っているので)。そういった様子をみている第三者(男)がいて、「飼 うつもりなら責任をもって飼わないと」みたいな意見がましいことを言っている。 たしかにこの部屋のなかだけで飼うのは無理があるかなあ・・・。私は金づちを 捜そうとしている。第三者の男「ほらほらこの米粒だってこんなにぶちまけて・・・ 細かくしてやんなきゃ(挽いてやらなきゃ)食べられないじゃないか」。わたし のかわりにその鳥が答える「いまやろうとしてま〜す」。わたしはそのとおりと、 金づちを持ち出して、金づちの先で米粒をぐりぐりと挽いて彼女が食べられるサ イズにしてやっている。

コメント:「久美ちゃん」とは私にインターネットを教えてくれた人。よって、 この街はインターネットの世界かなと解釈しました。目覚めてから思ったのが、 この街が、フランス映画『まぼろしの市街戦』"Le Roi de coeur"(1966フィ リップ・ド・ブロカ)に出てくる街とそっくりだということです。映画をご覧に なった方ならおわかりのとおり、“住人はすべて狂人”であります。


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