1995/12/29 COCO  私は座長

(夢)暗い通りを歩いている。ある知らない家= 日本家屋に入り 込む。門は昔ながらの木の引き戸。その家には入口があり何か商いをやって いる様だが人は誰も出てこない。用もないのに人の家に入り込んだバツの悪さ にそのまま出てくる。しかし、その家の玄関には妙な張紙がしてある。

「血液の方はこちらではありません」

もう一つ入口があるのでそちらに行ってみる。こちらは奥まっているがさっき よりも立派な入口で大きな木の扉が人が出入りできるように開けてある。そこ にはもう一つ貼り紙があって「血液売ります」と書いてあった。「血液を売るっ ていうのはいわゆる売血の事ではないか」と思い乍らもその建物を出る。

その通りを少し歩いて、劇場に入る。そこでは何も出し物がないが観客が少し だけいる。10人もいないだろうか?折角なので自分が舞台に出る事にする。 シナリオはあるし、普通の演劇ではないので、踊る部分はシナリオがいらないし、 喋る部分はを持っていけばいいだろう。全部一人でやるから好きなように やればいい。

どうやら舞台は成功したらしく、自分のファンができている。寄ってこないが もっと私のパフォーマンスを見たいような様子の男の子が遠まきにみている。 口こみで面白いという噂も広まった様だ。

若い男性が私のアシスタントをやっ てくれている。気がつくと2度目の公演を迎えている。自分が舞台に出ようと すると、別の劇団がすでに舞台にいる。自分の足もとを見ると裸足で踊るはず だったのにまだストッキングをはいているのに気がつく。それもたるんでいる ではないか。みっともないし気合いが出ないので脱ぐ。
いっこうに彼等のパフォーマンスが終わらないのでアシスタントの男性に訪ね ると場所代が馬鹿にならないので、あの劇団と組む事にしたという。しかし、 子供向けのあのような劇団とではあまりにムードが違いすぎないか?その劇団 は人形劇や子供向けのステージをやるのだが伝統があり、熱狂的なファンも 沢山いるらしい。しかし統制は取れているが面白くないなと思う。団員は女性 が多い。彼等は釘を板に打ちつけた独自の楽器を叩いて何か音楽をやる。しかし これもネタとしては新しくないと思う。楽屋で彼女らのそばを通ろうとすると 「気をつけてよ」と横柄に言われる。私はアシスタントに「こんな劇団とやるという 話は聞いてない。」と言った後で相手が傷つくといけないと思い「悪いって 言ってるんじゃなく事前に知らせてくれないとできないのよ」という。 そこでアシスタントと私は劇団の窓口の女性の所へ話をしに行く。
彼女はこれから出番という所で、準備をしながら「まぁ劇団員になりたいのなら 多少のギャラは出るけど、その前に入会金5万を払わないとダメね。みんな 兼業でやってるのだから」と言われる。こんな劇団に入りたくもないし、これ じゃ話にならないなと思う。舞台ではなかなかゴキゲンな音楽をやっていて、 TALKING HEADSのカバー曲を演奏している。ナントカAROUND THE WORLDという歌詞がついてる曲。なかなかいいアレンジだが、アコーディオンの演奏がダサいなぁと思う。 (終わり)



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