デジタルカメラが現われて間もない1996年、2台のデジタルカメラが私達のところに送られてきた。NEC製のPC-DC401はCマウント交換レンズ式で、弁当箱ほどもある大きなものだったが、画素数は640×480。今から思うと、不思議なバランスの不思議なマシンだった。
さて、これで何して遊ぼう?
私達はまず、お互いの生活空間を片っ端から撮った。たいてい買いたてのカメラの試し撮りというと、そうやって自分の部屋を撮りまくるものだ。中村は毎日の散歩の装備(?)一式を、安斎は主に毎日の料理の道具などを撮り、フォルダごと相手に送った。
中村の日常
安斎の日常
それぞれ相手の日常スナップをコラージュし、一枚づつ絵を作った。中村作品は、いわば相手の日常を素材にした「お造り」。安斎作品は、よく見ると散歩に出かける楽しげな人が見える。
完成した相手の絵を受け取り、今度は絵の中から素材を多数トリミングし、次の作品を作る……はずだったのだが、このセッションはなぜかここで休止状態に。デジタルカメラが毎年のように飛躍的な進歩をとげている今、もう一度この方法を試してみようか、とも思っている。(2005年ごろ、A&N記す)