創発するネットワーク Emergent Network

安斎利洋・中村理恵子と仲間たち展

ちらしより

1990年代に開始した「連画」の実験から、一貫してネットワークコラボレーションの実験を重ねてきた安斎利洋と中村理恵子による近年の代表的な作品を展示します。絵の描画過程を交配する「顔ポイエーシス」、多数が書き換えるウェブの潮流を生成的アートに昇華する「SANPO 接続する散歩道」、日常を切り取る写真を「見るとはなにか」という問いに切り替える「蝕 Eclipse」。創発を惹起する創作システムと、それを囲む仲間たちが育てた結晶の成長を見ることができます。

会期: 2008年12月19日(金)~2008年年12月28日(日) 22日(月)休館
会場: パナソニックセンター東京 1階ホールロビー
http://panasonic.co.jp/center/tokyo/index.html
主催: アーバンコンピューティングフォーラム
特別協賛: パナソニックセンター東京

中村理恵子 アーティスト

東京大学大学院情報学環非常勤講師。武蔵野美術大学油絵学科卒業後、美術研究所や商用パソコン通信会社勤務。1992年コラボレーッテッド・アート「連画」をはじめる。2002年、「連画」の進化系「カンブリアン・ゲーム」公開。100号の油絵キャンバスやパソコンと同居しながら創発的ネットワークを考える。ここ数年、日記@SNSや古武道にも意欲を燃やす。

安斎利洋 システムアーティスト

1980年代より、セルオートマトンを応用したCG作品を発表し始める。MANDELNET1986、連画などのネットワークプロジェクト、 Ramblers1993などの数理的作品、SuperTableau、カンブリアンマシンなどのソフトウェア、いずれも作動し続ける創発的システムの設計・実装に一貫して取り組んでいる。武蔵野美術大学基礎デザイン学科、早稲田大学文化構想学部、東京大学大学院情報学環非常勤講師。ワークショップ作品としての講義を模索中。

コラボレーター

登崎榮一

アーティスト メルボルン大学哲学科フェロー (イメージ論)、モナシュ大学アート&デザイン所属。メルボルン大学大学院にて抽象絵画に於けるリズムの説明と認識を研究。 PhD (哲学・美術史学 double degree)。アーティストとして、視覚的リズムを実践。リズムの表現を使ったドローイングによる左右脳・脳幹刺激プログラムをモナシュ大学で開発中。

SANPO連衆

Burton Lily、David Sierra (USA)、Ines Ben Amor (Tunisia North Africa)、iness (tunisia)、Linda Tenenbaum (Canada)、Mel Brackstone (Australia)、Sara TODD (Belgium)、shanghaiwu (Australia)、Susan Gordon-Brown (Australia)、Tomek Szymanski (Poland)、あいち、あおいきく、いしだゆきこ、くめがわたかし、こたにじゅんこ、コバヤシマサキ、サエコ、つもりやすこ、はやしえいいち、ホシサナエ、もっちぃ。、よしだまこと、るじるし、伊藤澄夫、恩田好子、河崎睦、角谷由利、関口佳子、丸山倫子、吉田知未、吉田明、玉簾、原田康徳、幸村真佐男、高橋哲男、黒岩哲三、今間俊博、佐古和江、山口琢、山田晶子、秋山謙一、小林千早都、上田博唯、西野順二、村岡美奈、大場みち子、朝倉民枝、登崎榮一、東京ロビン、梅田英俊、板倉、北村祐子、木原民雄、劉雪雁、exp35、HAL、hiromi aka、Kawata Miho、KoikeSaori、takako、Toru AIHARA、YoSi


顔ポイエーシス Face Poiesis 2004

絵を描く筆の動きを一本の遺伝情報とし、複数の絵の交配によって無数の絵を作っていく試みです。安斎、中村それぞれが描いた十数枚の顔の絵を種として、遺伝的ペイントシステム「タブラ・ピクシマ」のプールに投げ入れると、一晩で1000枚ほどの多様な顔の絵が作られます。NAKAMURA pool、ANZAI poolは、それぞれ一人の種を、NAKAMURA + ANZAI poolは、混在した二人の種を交配した結果です。

SANPO 接続する散歩道

「SANPO 接続する散歩道」は、あなたの散歩道を、世界中の散歩道につなぐカンブリアンゲームセッション。散歩しながら見つけた珍しいもの、好きな景色、不思議な空間をデジカメでショットして、ほかの人が散歩道で見つけたショットにつないぐと、あなたの日常がほかの日常に接続し、地上のどこにもない、あたらしい地図が成長します。

蝕 eclipse

太陽の明るさを月が隠すと、強い光に隠されたコロナやプロミネンスが周縁に姿をあらわします。目の前の机を机として見ることをやめると、そこに非日常の見え方があらわれます。カンブリアンゲームセッション「蝕 eclipse」は、登崎榮一、中村理恵子、安斎利洋の3人が、机を机として見ないことによって姿をあらわす形にカメラを向け、連想で連ねた「反風景」の連鎖です。

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