牛と青/ホリー・リー (香港) 1997,02,12



Comment:

一般的に牛には、善と悪、そして従順と野生という2つのイメージがあります。
中国の有名な物語「西遊記」の中や、西洋のおとぎ話し「美女と野獣」の中で牛は強力な暗黒の力を暗示するものとして
登場しています。しかし、その一方で牛はたいへん従順でもあります。天候にかかわらず、牛は一生懸命、謙虚に畑で働きます。
そこから、何世紀にもわたって人々を魅了し続けている、牽牛と織女の美しい民話が中国で生まれたのです。

西洋の人々はステーキが大好きです。2インチもの厚さのあるステーキを食べます。
日本で飼育されている牛の中には、ビールを飲んで育つものもあります。人間は牛を食べますが、
それは人間が動物を愛していないということなのでしょうか。
私たちは、牛とリンゴをどのように見分けているのでしょうか。
リンゴを食べるより牛を食べる方が心が優しいのでしょうか。

牛1頭分に値する量の牛肉を食べたことがあるか、懸命に思い出そうとしています。
昔、祖母がよく私たち子どものために、牛肉を切って蒸してくれましたが、私はいつもほんの少ししか口にしませんでした。
私は牛の尾、スネ、それにファーストフードのハンバーガーを食べたことがあります。それだけで牛1、2頭分にはなるでしょう。
来世では何に生まれ変わりたいかと聞かれたら、緑の草と答えるでしょう。そう、たぶん、牛のご馳走になるような広大な芝生に・・・



Bio:


フォトグラファー
若い頃より個展やグループ展などで幅広く活躍し、1995年には香港プロフェッショナル・フォトグラファー協会の金賞を受賞しているホリーは、リー・カーシンが1992年より手懸けるデジタル・アートの雑誌『Digi Magazine』の編集者としても優れた腕前を見せている。最近はマルチメディアを駆使したインタラクティヴな作品制作にも積極的に取り組んでいる。




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