First Session

気楽な日曜日


1992年の4月、安斎から中村に宛てた電子メールがきっかけ となって、連画がスタートした。
「ひとつ種をください。うまいこと発芽したらお返しします」


 

■ CS01 ドッヂボール開始!
Let's Play Dodge Ball
中村理恵子
Rieko Nakamura 1992/04/17

中村の用意した種は、いかにも手をいれやすいシンプルなドローイング。墨で紙に描いた作品をスキャナでディジタイズしている。

 

■ CS02 煮るなり焼くなりなめるなり
As You Like It
安斎利洋
Toshihiro Anzai 1992/04/21

何度も手を加えては元に戻し、その結果はごく単純な加筆にとどまった。

 

■ CS03 青い球ぁ
Blue Sphere
中村理恵子
Rieko Nakamura 1992/04/26

周りにクッションの模様をちりばめた。居心地の良さそうな雰囲気が、ここで作られた。

 

■ CS04 今日は回線悪い。5度目
The Line is Bad Today. Fifth Time Lucky?
安斎利洋
Toshihiro Anzai 1992/04/26

右上に、もう一人の人物が登場する予感を残した。

 

■ CS05 3バージョン目。うーん迷ったぜぇ
Version Three. Uuuuumh. I'm at My Wits End
中村理恵子
Rieko Nakamura 1992/04/26

相手の描いたものを消すことに遠慮のあった第一回連画のなかで、ここではきっぱり余分な要素が消されている。

 

■ CS06 700Kの重い球
700K Heavy Ball
安斎利洋
Toshihiro Anzai 1992/04/27

展覧会への搬入期限に合わせて、ここで終了。他人の作品に手を入れるという感覚から自由になる訓練をしながら、だんだん情報が蓄積していく過程がこの巻の特徴。

 



発信者:安斎利洋
受信者:中村理恵子
日 時:92/04/11 02:23

表 題:RENGAしませんか?

例によって、電子ブック版研究社和英辞典からサンプリングします。

 れんが    連歌    a renga; a 'linked poem'
              連歌師  a renga poet

この「RENGA」をそのままいただいて、しかし連歌ではなく「連画」をやってみませんか?
一つの作品を共同で制作する、という方法は、少々古くさい匂いがします。しかし、相手の作品を自在に引用して、自分の絵にしてしまうというのは刺激的な遊びです。
そこで、連画という仕掛を試してみたいのです。連歌のように、個々の作品は独立して完結しながら、前の作品にもリンクしていて、サンプリングしたり塗りつぶしたり、肯定したり否定したり、呼応したり発展したり、思い出したり忘れたり、暖まったり涼しくなったり、そんな遊びができるような気がするのです。とにかくひとつ、タネをください。それをバッファに溜めつつ、別な作品を作ってみます。うまいこと発芽したら、今度の展覧会に間に合わせてみましょう。いい遊びの糸口になるような予感があるんですが。







Toshihiro ANZAI and Rieko NAKAMURA