北京連画全作品
<1> 1996/05/01
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高峡 1A
237×304cm
高峡による北京連画の種。篆書の書体による「魂」。
これらの2点は、西安へ渡った垂水景氏が日本に持ち帰り、直接安斎・中村に手渡された。半紙大のこれらの書は、Pixel Dio によってデジタル化された。
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高峡 1B
237×304cm
高峡による北京連画の種。甲骨文字の書体による「魂」。甲骨文字は、中国の殷で、占いのために亀甲などに刻まれた文字である。
<2> 1996/05/08
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安斎利洋 2T
1024×768pixel
1Bに、しゃがんだ人の足を見出し、それに応える形態の人物を配した。ダンスする魂。
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中村理恵子 2R
660×984pixel
1A、1Bの両方の「魂」を捉える。「どんどん自分の世界にとけ込んで揮発していく、まざりあっていく」(中村)
<3> 1996/05/20
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高峡 3A
685×690cm
2T,2Rは、デジックスの田中氏の刷りによって、B全大の機械漉き楮紙に印刷され、フェデックスの便で高峡に送られる。高峡はその和紙に直接加筆することはせず、別の紙に新たに書きおこした。墨と顔彩による作品。
この作品は主に、2Tで加わった人物を捉えようとしている。
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高峡 3B
685×690cm
3Aと同様。第1世代で提出されたふたつの書体が、2を介して混合しているのがみてとれる。
<4> 1996/05/29
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安斎利洋 4T
574×776pixel
北京の会場で、デジタルカメラによって取り込まれた3Bの画像をもとに制作。「高峡氏が直接加筆することを期待して、ついシンプルに仕上げていた」(安斎)
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中村理恵子 4R
402×480pixel
2Tの人物の形態が、3Aを通過してきたのを意識して制作。回転と螺旋の饗宴。
<5> 1996/05/30
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高峡 5A
350×304cm
北京の展覧会場における「実演」による作品。4Tのプリントアウトに対して、直接加筆されたもの。エプソンのプリンタに画仙紙。高峡氏は、一瞬虚空で計画をなぞると、ほんの数十秒で作品を仕上げた。
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高峡 5B
350×304cm
同じくライブによる作品。4Rに対して、直接加筆。会場にたまたまあった、命毛がすっかり擦り減ったような筆を無造作に選んで使っているのに驚かされる。まさに「筆を選ばず」。
<6> 1996/06/01
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安斎利洋 6T
475×437pixel
5世代目の作品は、会場のスキャナによってデジタル化され、それをベースにして6世代目が作られる。5Bの螺旋と核を抽出。精子をイメージした。
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中村理恵子 6R
640×480pixel
5Aをベースに制作する。「西洋とも日本とも違う独特の赤が、無意識のうちに画面に流れこんできた」(中村)
<7> 1996/06/01
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高峡 7A
350×304cm
6Rのプリントを90度回転して加筆。会場におけるライブ。「日常性と魂の対話ということを考えながら書いた」(高峡)
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高峡 7B
350×304cm
これもやはり、6Tを90度回転させて用いている。「生命の循環がテーマ」(高峡)。観衆の大きな喝采をあびて、北京連画は幕を閉じる。
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