rhizome: 齊藤隆之

ニューラル計算尺

齊藤さんが人造コットンから紙を作る会社を作った。どろどろに溶けた綿の液体から、紙を引き上げる。いろいろな計算はこれでやっている、と見せてくれたのは旧式の汚れた計算尺で、ニューラルネットワーク制御のロボットハンドが高速に竹尺を操作している。これが正しい答えを導くいちばんいい方法なんです、と齊藤さんが自慢げに言い、僕は大きく首肯する。

(2016年7月24日)