rhizome: 羊毛

ガムラン小宇宙

体育館のイベント会場には、さまざまな展示用の楽器が準備されつつある。とりわけ珍しい楽器を特別に体験させてもらうことになり、不安定な羊毛の高椅子を股にはさんで高いテーブルの天板を覗きこむと、米粒ほどの金属で作られた発音体がガムランのように並び、レンズで覗き込みながら針で音を出す楽器であることを理解する。女性の演奏者から、まず楽器の表に今日の言葉を書き入れてから演奏するように指示される。それは意味があるのか聞こうと思ったが、おそらく聞くことに意味がない。

(2008年10月3日その1)