rhizome: パソコン

ThinkPadの川海老

ThinkPadの深いディレクトリに、ここで見せるべきプログラムが入っているにもかかわらず、その起動方法がまったく思い出せない。ディレクトリを一段降りていくたびに、記憶が朧げになる。なかばやけになって、キーボードの下にあるもうひとつの蓋をあけると、小箱のような水槽から川海老があふれてしまっている。いくつか手で掴んで戻すが、ほとんどは動きもせず死んでいるようだ。こんな作りじゃ、鞄の中で水がこぼれてしまうじゃないか、と、いい加減な設計者に対する怒りがこみ上げてくる。

(2005年10月11日)

飛行機事故

着陸したばかりの飛行機の中。どうやら飛行機事故に会ってしまったので、外に脱出しなくてはならない。この緊急事態に、なぜこんな呑気な雰囲気なのか不思議でならない。僕は女の手を引いてすんなりと外に脱出する。僕はその女に気があるのだ。
いきなり背後で爆発音がする。女は、僕が命の恩人だと言って感謝している。こんなことでありがたがられるならいつでもどうぞ。
原っぱのバラックの二階にある自分の部屋。僕は女と炬燵に入っている。炬燵の上のパソコンに突然テレビ電話が接続する。航空会社の担当が、ご無事でなによりでした、というようなことを言っている。こっちは今それどころではない、うるさい連中だ。
しかし、いったいいつテレビ電話のプラグインを入れたのだろう。こんななめらかな動画を再生できるはずないのに。これはActiveXだろうか。

(1997年1月2日)