rhizome: コーヒーカップ

坩堝コーヒー

ホテル最上階の部屋を予約したのだが、部屋の準備がまだできていないとフロントに言われる。仕方なく、コーヒーを飲んで待つことにする。ロビーには車体が青磁でできた自動車が停まっている。ところどころひびが入り、ひびに汚れが沈着し、車がかつて公道を走っていたことを思わせる。

僕は白いデミタスカップに錫(すず)を融かし、錫が固まらないように小さい火で底を炙りながら部屋の準備を待っている。

(2014年3月29日)