輪読会の犬

土の露出したグラウンドで、マグカップに書かれた文庫本を輪読するゼミに出席している。青土社から出ているこの陶製の本は、注釈の小さい文字が円筒の表面にびっちり書かれている。輪読に参加している華奢な体の女が、小型犬に頭から飲まれてしまう。胸まで引き込まれた身体をやっとのことで引きずり出すと、苦しそうな女は透明な粘液にくるまれていて、このままでは窒息してしまうだろう。服をはだけた女の胸は子供のようで、やや膨らんだ乳首をぬぐうと、掌にあばら骨を感じる。

(2006年2月23日)