気遣い小学校

小学校の国語の授業を担当することになり、先生方と打ち合わせを始める。背後の窓際に眼をやると、陽射しの中でSamは胸をはだけたまま居眠りをしている。先生たちは、それをずっと見ていたはずなのに、誰ひとり指摘する者はない。そういう気遣いは誰のためにもならない。寝ぼけたSamを膝に引き寄せて、乳房が股にあたるのを感じる。
隣の部屋に設置された蒸気式の機械に、職人たちは枕の大きさもある餅を無造作に投げ入れる。餅には木屑などが付着しているが、餅は十分に大きいので、表面を削って内部だけを使ってもちゃんと結果は出力される。餡子をたっぷり包み込んだ柏餅をひとつ、頂戴する。

(2008年2月28日)