殺戮小屋

薄暗い小屋の中に、仲間がいる。彼らとともに何十もの人を銃で殺し、この関門を守った記憶がある。小屋の小さい明かり取りの前に置かれた白いホーローバットに、ありとあらゆる形態のキノコが密生している。エリンギ茸のような形をしたひとつをつまむと、どんどん大きくなる。傘の縁を親指と人差し指で上手にはさむと、ついに五十センチほどにまで大きくなる。
扉の隙間から、数百メートル先にある次の小屋が見える。小屋の外に、拘束された二人の少女らしき人影が見えるが、右側の一人がかくんと力なく膝を折り、ややあって銃声が届く。

(2002年6月27日)