藤枝守さんと野菜を育てる話をしていると、階下にジャニーズ系グループの少年たちが集まっている。近くでキャンプをしていたらキャベツがないことに気づいたので、借りにきたのだと言う。キャベツを借りにくるという奇妙な行動には感心するが、しかし借りるなら返してほしい、と言う。
小さい愛犬とともに、少年らを送りに出る。途中で愛犬の鼻先に手を置くと犬は眠ってしまう。いっしょに路上に寝ころんで、すっかり犬が寝付いてしまうのを見届けてから彼らは帰っていった。目覚めた犬と手をつないで帰る道すがら、男の子たちが帰ってしまったことに落胆する犬の話を聞いてやった。彼は、ああいうとびきり悪い兄貴がほしかったのだと言う。
(2000年10月1日)