蜘蛛の糸
〈たぶら〉による本の rememe
解説
〈たぶら〉は、本の概念を初期化するための日本語組版システムです。小林龍生氏の企てである Project G3(Beyond Gravity of Gutenberg’s Galaxy Project)の研究会において発表したもので、紙の本の引力圏にとらえられた電子書籍をもう一度原初から問いなおすために、もしグーテンベルクより前にコンピューターがあったら本はどうなっていたかという思考実験ツールとして開発しました。
人間はエクリチュールを育ててきましたが、エクリチュールは人間を育ててきました。本の初期化とは本と人間の共進化をやりなおすことで、ここでは「書きやすいか・読みやすいか」ではなく「これが書きやすい・読みやすいと思える人間は可能か」が問われます。実際この蜘蛛の糸を読むだけで、縦横や方向に拘束された文字の流れに必然はないことが理解できます。
なお、犍陀多の「犍」の字がおかしいのは、使用した手持ちの教科書体フォントがユニコード対応でなかったためですが、水平垂直のレイアウトを前提に作られた既存のフォントは〈たぶら〉に適さないことを忘れないために、そのままにしてあります。フォントの自動生成が次の課題です。
人間はエクリチュールを育ててきましたが、エクリチュールは人間を育ててきました。本の初期化とは本と人間の共進化をやりなおすことで、ここでは「書きやすいか・読みやすいか」ではなく「これが書きやすい・読みやすいと思える人間は可能か」が問われます。実際この蜘蛛の糸を読むだけで、縦横や方向に拘束された文字の流れに必然はないことが理解できます。
なお、犍陀多の「犍」の字がおかしいのは、使用した手持ちの教科書体フォントがユニコード対応でなかったためですが、水平垂直のレイアウトを前提に作られた既存のフォントは〈たぶら〉に適さないことを忘れないために、そのままにしてあります。フォントの自動生成が次の課題です。